検索窓
今日:114 hit、昨日:128 hit、合計:98,000 hit

ページ26

〜side Atsumu


「なんでいっつも俺のとこ来るん。ほっといたらええやんか」


試合に負けた後は
1人で頭を冷やす時間が欲しい



(最後のパイプ、俺のトスは悪くなかった


読まれてたとしても、いつものアランくんやったらきまっとった)


思い返せばキリがない


(角名とのテンポがズレたのも、疲れてきたからってあいつの打点が下がったからやし)


それでも何より悔しいのは


スパイカーを上手に使ってやれなかったこと




セッターはチームの司令塔

(俺が、打たしたらなあかんかったのに)



Aちゃんはいつも
北さんのように正論パンチをかましてくるくせに


あの人にはない、“甘さ”がある




口先ばかり強がってしまう俺に
Aちゃんは何も言わん



多分、ほんまは分かってて
静かに頷いて何も言わず隣にいる



言葉を発さずに見つめられる瞳が


全部、見透かされとるみたいで


目を合わせられんかった


連れ戻しにきたとか、誰かに頼まれたとか


昨年のインハイの時も
春高の時も


彼女は首を横に振った


(じゃあ、なんで)


Aちゃんはバレーの“プレー”に関しては絶対に口を挟まない


分析結果を淡々と並べることはあっても


“こうするべきだ”

とは絶対に言わん


それは彼女が【選手】と【マネージャー】で線引きしているラインなんやと思う


やから、余計分からんねん



無駄なことをしないAちゃんが


どうしてここに来るのか



分からへんから



(また、見つけてくれた…、)


心のどこかで彼女を待っとるんやと思う


「…てっぺんに行きたかった
俺らのおる稲荷崎が1番なんやって証明したかってん」


試合に勝てば、Aちゃんが笑う


『…私に出来ることはチームが勝つために

“選手がベストパフォーマンスを最大限引き出せる”ようにサポートすることであって


“結果”が全てだとは思わない』


また難しい話を…と彼女を見る



『でも

侑が“てっぺんとる”って言ったら、この人たちはやるって思うよ』


「…!」


『侑なら、

みんななら本当にやってくれるって信じてる』


俺は、Aちゃんの目が少し苦手やった


俺たちの勝利を疑わない“信頼”の瞳に


合わせる顔がないって



これ以上、俺の心の中に入ってこんといて欲しい

弱い所を知られたくない



その反面

そんな俺を見つけて欲しいと思ってる



彼女の瞳には、俺らへの疑いがない


「春高は、てっぺんとる」


やから俺もAちゃんを


信じてる

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
298人がお気に入り
設定タグ:北信介 , 宮侑 , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りな∞(プロフ) - あめみやさん» おはよう靴下は宮城と1部東北?地方特有らしいです😳穴あき靴下って言うより可愛いですよね💓 (3月4日 18時) (レス) id: 77d3b1abb5 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - おはよう靴下ってもしかして全国共通じゃないんですか……? (3月4日 11時) (レス) @page32 id: c8e075c880 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りな∞ | 作成日時:2023年12月13日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。