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始まったインターハイ予選
シードである稲荷崎はあっという間に県代表戦へ突き進んだ
｢サム！サーブ勝負や｣
｢望むところや。
今のとこツムが負けとるからな｣
｢うっさいわ！ジャンフロ安定してきてからは負けてへんし！｣
｢勝ったら何してもらおかなー｣
｢っ！そうはさせへんからな！｣
｢はよアップしろや｣
｢分かっとるわ！指図すんな！｣
｢はしゃぎすぎんなよー、双子｣
｢聞いてや！アランくん！｣
｢アランくん、どっちが悪いと思う？｣
｢お前らのケンカはいつもお互い様やろ！｣
『北さんは注意しないんですか？』
｢アイツらがノっとるとうちの調子ええのは事実やしな｣
『なるほど、』
｢あまりにもいきすぎるようなら注意せなあかんと思うけど、｣
北さんはちらりと目をやって
アランさんの両腕を引き合いながら互いを威嚇する双子に口元を緩めた
｢あいつらは楽しいこと追求するんは好きやし、イレギュラーも多いけど、手ぇ抜いたりせーへんやろ｣
アランさんが、助けを求める目で北さんを見ると
｢侑、治｣
｢｢は、はい！｣｣
2人はピンと背筋を正す
｢慢心と自信を持つことはちゃうからな
相手を見下すんやなくて、自分たちは強豪であるというプライドを持ってプレーしや｣
｢｢…｣｣
｢舐めて気ィ抜いとったら足元すくわれんで｣
カチンコチンに固まっている双子に｢返事は？｣と北さんがすごむと
｢｢っはい！｣｣
双子は声を揃え
その後ろで倫が気まずそうに目を逸らした
(効いてる、笑)
｢何笑うてるん？A｣
『内緒』
・
・
・
｢侑、一本ナイッサー｣
稲荷崎応援団による応援は回数を重ねても迫力を感じる
体育館に響く吹奏楽部の演奏が
侑の拳によってピタリと止まり
空気がツンと張り詰める
いつもふざけてばかりの侑の魅せるギャップ
試合の中で、好きな時間の1つだ
キュッとシューズと床の擦れる音がして
1.2.3…
6歩
(スパイクサーブ…)
勢いよく放たれたサーブがコート内に強烈な音を立てて決まると
会場に歓声があがる
ジャンフロをものにしてからも、スパイクサーブの勢いやコントロールも精度が上がってる
｢これで8月のインハイ本戦まで公式戦お預けや〜｣
しょぼくれる侑に
｢練習試合やろうが、公式戦やろうが適当でええ試合なんてないで
試合は試合。同じやろ｣
｢…そうですけどぉ｣
でもちゃうんやもん、と侑は小さく呟いた
ー
あれから、また一通のメールが届いた
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りな∞(プロフ) - あめみやさん» おはよう靴下は宮城と1部東北？地方特有らしいです😳穴あき靴下って言うより可愛いですよね💓 (3月4日 18時) (
レス) id: 77d3b1abb5 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - おはよう靴下ってもしかして全国共通じゃないんですか……？ (3月4日 11時) (レス) @page32 id: c8e075c880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年12月13日 13時
