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ページ34

「確かにちゃんと向き合えへんのに甘んじた侑にも悪いとこはあるけど

お前だけのせいちゃうやろ

どんな事情があったにせよ人を傷つけてええ理由にはならんしな」

淡々と冷静に言うこの人はやっぱり機械みたいや


「許してくれるか分からんけど、俺Aちゃんに謝らなあかんと思って__」

「何を謝るん?」

「え?」

何って、そんなん…

「元カノがすみません。俺がちゃんと向き合えなくて矛先いってもうたんですって言うんか?」

「やって、誰がやったか分からんままって怖いやないですか!
事実伝えてちゃんと謝らな…」

「それで南は楽になるんか?」


「…え?」


「先生の話聞いたやろ

南の中で大事なんは“誰が”、“なんで”っちゅう真実を突き止めることやない

このままお前が帰ってきて、いつも通り過ごしてくことなんと違うか」

Aちゃんにとって、大事なこと…


「真実を伝えて謝ることで許されたい
それはお前の自己満足やろ」

「そんなんじゃ…」

俺のせいやのに
それを知らないAちゃんと接するなんて


「なんも知らん南に合わせる顔が無いとか、罪悪感があるとか

そんなんお前がしんどいだけやん

知らなければ南は何も思う必要も無い。傷つくこともないやろ」


Aちゃんが俺に優しくする度、のしかかる黒い感情


「それを聞いた南は許すしか出来ひんやんか

侑のせいやってお前を拒絶する訳にもいかん。
あいつはまた気にしてへんフリして、侑のせいちゃうよ。大丈夫って強がるやろ

お前のしようとしとることは自分が楽になるためにその重荷を南に押し付けることや」

頭をガツンと殴られたように脳が揺れる


「俺はどうしたら…」

「それは自分で考えるしかないんちゃう」



スタスタと歩き出す北さんの後を追いながら
昨晩のサムの言葉が頭の中で繰り返された

“墓場まで持ってって一生詫びろや”
“次あいつ傷つけたらほんまに許さへんからな”



俺に、出来ることは




・・・


「侑くん。相変わらずバレー部の囲いすごいなぁ
南さんは誰のことが好きなんやろうね?」

迷うことなんてない

「あいつは俺らみんなのこと大好きやで」


「…口、聞いてくれるんや
一生許してもらえないと思てたんやけど」

「そうして欲しいん?」

「…え?」

「あんたにはなんもやらんよ

恨んでもやらん。もう終わったことやし

こんなこと“一生”覚えてられるほど俺の毎日薄っぺらくないからな」



俺に出来る罪滅ぼしは

ただ、君の傍におること

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

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