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ページ15

「Aちゃん!これは?」

『要りません』

「えー!どっかで使えるかもしれへんやん」

『そうなったら検討する』

「ケチ!鬼嫁!このやりくり上手!」

『褒めてくれてありがとう』

「ふっふ」

侑はずっとニコニコしていて


「Aちゃん、Aちゃん」

とついてくる


子供と買い物に来たみたいだ


「これは何に使うん?」

『赤木さんの。収まりがちょうどいいんだって』

「へえ、」

『銀もたまに使うよ』

「全部把握しとんの?」

『大体はね
使用量把握してないと補充だって出来ないし』

「ほんまに北さんみたいやな」



『侑、なんか食べたいものある?
付き合ってくれたお礼に奢るよ』

「ええの?」

何にしよかなぁ、と顔を輝かせる侑

「あ、昨日チョコまんありがとうな」

『あれ買ったの治だよ』

「え、サムからAちゃんに頼まれたって聞いてんけど」

『私が買うから侑にも届けて欲しいって頼んだら
最初から侑の分も買うつもりだったって』

「…ほーん、たまにはええ事するやんか」

口角を緩ませる侑

“ツム、俺も食いたい!言うて騒いどったし
食えへんかったらまたうるさいからしゃーなしや”

なんて言ってたけど

新しいサーブの練習で調子が振るわず
いつも通りを装ってるけど、元気がない相棒のことを

本当は心配してるって

多分みんな分かってる

「俺たい焼き食いたい」

『侑たい焼き好きだったっけ?』

「前皆で来とったやろ」

少し怒ってるような、寂しそうな声で


先週のオフに侑以外の皆で食べに来たお店のたい焼きを
彼は嬉しそうに頬張った


『侑』

「なん?」

『なんかあった?…最近、変だよ』

「彼女が言うねん
よく、“侑くん、聞いてる?”って」

『うん?』

「正直聞き流してることやってあるし、適当な相槌打つと
私の話なんて興味無いんや、とか言うてくんねん」

面倒なことを言ってきたら別れる、なんて言っていたくせに

「これでも大事にしとるのに、これ以上何を望むんやろ」

ほんまに分からん!と頭を搔く侑は

ちゃんと彼なりに向き合おうとしてる


『侑に愛して欲しいんだよ』

「なんやそれ。何したらええねん」

『なに、とかじゃなくて

侑がその子を大切に思ってるなら相手にも伝わるし、適当に付き合おうとすればそれも伝わるんじゃないかな』

「Aちゃんも思うん?愛されたい、とか」

『…思うよ』

侑が目を見開いた

『…愛して欲しい。私の事だけ、大事にして欲しい』




「やっと見つけた!」

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

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