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練習終わりには

コ○トコの大きなケーキ

「双子、おめでとう!」

「「アザース!」」


それぞれの学年からちょっとしたプレゼントを集めて渡す部の伝統


「でっかいなあ」

『切り分けるから治の分は少しだよ』

治は肩を落とし

「お前ら家帰ってケーキ食うやろ」

アランさんが呆れながら言う

「やって、ケーキもツムと半分やもん」

「半分あれば充分やん」

「俺はホールケーキ1個まるまる欲しいねん!」

「そんなに食い切れるわけ…
あるな、治やもんな」


1年生からのプレゼントを渡して


『2人とも、おめでとう』

と声をかけると

「双子やからってまとめられんの嫌や」

不満そうに侑が口を尖らせた

『なんで?』

「そのおめでとうなんか俺らで半分ずつみたいやん」


『?

双子だからおめでとうも幸せも2倍なんでしょ?』

私には兄弟が居ないから感覚は分からないけど
喧嘩しながらも、互いの1番の理解者である2人をみると

羨ましく思う

『違うの?』

聞き返すと

「…そう思ってやらんことも無い」

「こっちのセリフや」

と目を合わせて2人同時に笑った



鍵の施錠を確認してみんなを追いかけると

侑が待っていてくれて

『私、しょぼくれてた?』

「は?」

『テストの時言ってたでしょ』

「…朝からなんか変やったやん
妙に大人しいし、俺らの顔みて変な顔ばっかしよるし」

『してない』

「してたし」

なんやったん?と問い詰める侑は
大したことじゃない、と言っても引きそうにない

『ちょっと寂しかっただけ』

「へ?」

『治も侑も、人気者なのは分かってたけど
改めて遠くの人だなって感じたっていうか…』

「はぁ?」

大きな声にビクリと肩を震わすと

「今更何言うとんねん

(なか)の奴に近いも遠いもないやろ」

アホか、と人の悩みを一蹴して

「北川第一のこととかまたなんかあったんかと思って心配してもうたやんけ」

『なんで知って…』

やべ、と口を覆った侑は

「前に新聞の切り抜き見えた」

とバツが悪そう言った

『私の地元の中学なんだけど
侑に、似てる人がいるんだ』

「俺に?」



「ツム!」

治の声の方向には
昼休みに侑を呼んだ女の子

「こんな時間まで待っとったん?」

秋の初めとはいえ、この時間は少し冷える


少し話し込んだ侑は

「とりあえずこの子送って帰るわ」

「よっ!モテ男!」

「送り狼になるなよー」

野次に中指を立てて2人で消えていき

侑に彼女が出来たと聞いたのは、次の日のことだった

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

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