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その夜は
1つのベッドで押しつぶされるくらいぎちっと2人に挟まれて
「コイツ、Aに構って貰えないからって宿題始めたんだぜ」
「そういうお前だってAにプリン断られたってその日１日ろくに飯も食えてなかったじゃないか」
2人の言い合いに心配をかけてしまったんだ、と改めて反省する
「…A。もうどこにも行くなよ」
ジョージの声が真剣だったから彼の目を見て頷いた
『2人とも、心配かけてごめんね
でも宿題やるのはいい事だと思う』
「終わったよ」
「Aに放置されてる間に全部終わった」
『あんな一瞬で？』
「一瞬なもんか！監獄の中の10年分位に感じたね」
2人は元々地頭がいいんだった…
やらないだけで
「Aまだ終わってないなら俺らも手伝うからさ」
「午後は遊びに行こうよ」
『うん、行きたい』
安心したように笑ってしばらく小話をした後寝息を立てた2人
いつ、どこに行くかも分からない私のために
寝ずにずっと地図を見つめていたのだろうか
『…ごめんね』
2人の頬にそっとキスをして私も目を閉じた
・・・
朝、目を覚ますとしっかり繋がれた両手
予定通り2人の手を借りながら宿題を終えて午後は雪遊び
久しぶりに遊べたのが嬉しいのだと2人は次から次へと雪のアートを作っては披露してくれた
「今日はどうしてもあっちの部屋で寝るのか？」
『約束だし…
ロンにも心配かけちゃったから』
2人はしぶしぶ了承し
心配かけたことを謝るとロンは笑顔で歓迎してくれた
私のやるべきことがあと1つ
深夜、人影なく音を立てて開いたドアを追う
『ハリー』
いつもの部屋、いつもの鏡
ハリーはそこにいた
『私、ここに来るのもう辞める』
「…そう」
『だからハリーも一緒に帰ろう』
ハリーからの返事は無い
『この鏡を見ている間、幸せになれるよ
だけどそれが作り物で、永久じゃないってハリーも本当は分かってるでしょ？』
「…」
『ハリーのご両親も
私のお母さんも帰ってこない
現実は苦しいよ
だけどこっちの世界には
今、ここであなたを心配してる人がいる
大切に思う人がいる』
「…」
『あなたの寂しさも、私たちが受け止める』
私とハリーはどこか似ている
私たちは愛されたかった
ここにいていいんだって、居場所が欲しかった
『帰ろう、ハリー』
ハリーは静かに私の手を取った
私たちがこの部屋に来ることはもうないだろう
振り向き様鏡の中に微かに見えるのは
優しく微笑む父と母の姿
『…さよなら』
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りな∞(プロフ) - シェリーさん» コメントありがとうございます！シリーズ6まで更新中ですのでこれからもお楽しみ頂ければと思います😂💓 (1月30日 22時) (
レス) id: f85f1d83e7 (このIDを非表示/違反報告)
シェリー - 休憩中にちょっと読もうと思ったら、面白くて止まらなくなってしまいましたw次の更新楽しみに待ってます！ (1月30日 17時) (レス) id: 9ebb6b11e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年8月2日 1時
