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「Aには何が見えてるのか分からないけど…
この鏡は、見た人の【心からの願望】を魅せるんだ」
『心からの…願望、』
嬉しそうに私を撫でるお母さんから
目が離せない
「ダンブルドアはもうここにきちゃいけないって」
多分、これは
良くないものなんだろうって
本当は何となく分かってる
だけど
『ハリー、私も連れてきて…』
「…」
ハリーは黙ったまま、私にも透明マントを被せた
「あんまり遅いと探しに来られる
続きは明日だ」
半ば引きづられるように部屋を出るまで
私は鏡から目が離せなかった
双子の部屋の前まで来て、ハリーと別れた後
2人が寝ているのを確認して忍びの地図を元の場所に戻し
ベッドに入る
目を閉じても脳裏に浮かぶのは鏡で見た家族3人の幸せな光景ばかりで
全く寝付くことが出来なかった
・・・
「おはよう、A」
『おはよう』
「昨日さ、どっかいってた？」
『…行ってないよ？』
「手、繋いでたはずなのに朝離れてたからさ」
『そういえば１回トイレに起きたかも？』
「ふうん」
『寝ぼけててあんまり覚えてないや』
「そっか」
2人に嘘をつくのは初めてだから
後ろめたくて目をそらす
『今日はハリーたちの部屋に泊まるね』
「そうだったな」
「１日おきにあいつらに取られるの寂しいぜ…」
泣き真似をするフレッドの声も私の耳には届かない
(…早く夜にならないかな)
「今日は外で遊ばないのか？」
『今日はいいや』
「…そうか」
「A、プリン食べるだろ？」
『おなかいっぱい』
「…」
毎日、夜になると私とハリーはベッドを抜け出して鏡に向かう
この時間だけが幸せで
いつしか食欲も楽しみも無くなって
だから余計に
この幸せに依存する
「…A、俺らに隠してることあるだろ」
『ないよ』
「じゃあ昨日の夜どこいってたんだよ」
『トイレだよ』
「嘘つくな」
2人が怒ったような声を出す
『ふたりには関係ないよ』
「関係ないって」
「俺たちは心配して…」
『私だって…お母さんに、甘やかされたいんだもん』
「ちょ、A」
2人から逃げるように飛び出して、久しぶりに自室に戻る
『うっ…ぅっ』
ポロポロと涙が溢れて
何時間経ったのか、泣き疲れて寝落ちしていた私が目を覚ましたのは深夜だった
もう、ハリーも部屋に戻ってる頃だろう
引き寄せられるようにフラフラと足はあの場所に向かう
『…お母さん、』
「A」
私の名前を呼んだのは、お母さんではなかった
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りな∞(プロフ) - シェリーさん» コメントありがとうございます！シリーズ6まで更新中ですのでこれからもお楽しみ頂ければと思います😂💓 (1月30日 22時) (
レス) id: f85f1d83e7 (このIDを非表示/違反報告)
シェリー - 休憩中にちょっと読もうと思ったら、面白くて止まらなくなってしまいましたw次の更新楽しみに待ってます！ (1月30日 17時) (レス) id: 9ebb6b11e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年8月2日 1時
