・ ページ19
薬草学と同じく飛行訓練はスリザリンとの合同授業
担当のフーチ先生は目が鷹のように黄色く、鋭くて少しだけ怖い
「みんな箒のそばに立って
さあ、早く右手を箒の上に突き出して」
喋り方から仕草まで
昨日のフレッドのモノマネがあまりにも似ていて
思わず下を向いて笑いを堪える
みんなが箒のそばに立つと、フーチ先生が掛け声をかけた
「そして、上がれ！と言う」
みんなが一斉に上がれ！と足元の箒に唱える
スリザリン側でおお、と声が上がると
箒を手にしたマルフォイがニヤニヤとこっちを見ていた
隣にいたハリーの箒はすぐさま飛び上がって、ハリーの手に収まる
私も足元の箒をじっとみて手を伸ばす
大丈夫
だって昨日は出来たんだもの
『上がれ！』
パッと上がった箒は私の手元にしっかりと収まる
｢すごいよ！ハリーもAも｣
ロンは目をまん丸くさせて、自分も上がれと叫んだものの
浮いた箒は彼の頭に鈍い音を立てて当たっただけだった
そんな私たちを、スリザリン生たちは面白くなさそうに睨んでいた
結局飛び上った箒は少なかったようで
ハーマイオニーの箒は地面をコロリと転がっただけで
ネビルの箒は、ピクリともしていない
｢すごいや、A箒は得意だったんだなぁ｣
頭を擦りながらロンが言う
「さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください
箒はぐらつかないように押さえ、二メートルぐらい浮上して、それから少し前屈みになってすぐに降りてきてください
一、二の─…」
フーチ先生の合図に集中していると、
「こら、戻ってきなさい！」
と大きな声が聞こえて、顔を上げる
シャンパンのコルク栓が抜けたようにヒューッと飛んだ
ネビルは真っ青な顔でグングン離れていく地面を見下ろし、
声にならない悲鳴をあげ、箒から真っ逆さまに落ちていく
｢ちょっと、A!?｣
後ろでハーマイオニーの高い声が響く
体が勝手に動いて、掴んだ箒に飛び乗り、ネビルの元を目指す
両腕でネビルの体を何とかつかもうとすると、ぐんっとネビルの重さで箒が傾く
(落ちるっ、)
わっとみんなの悲鳴が聞こえて
思わずぎゅっと目を閉じる
ー
｢A、目開けて｣
｢つぶるから怖くなるんだ｣
｢大丈夫さ、ほらしっかり掴んで重心を整える｣
ー
昨日の2人の言葉を思い出して
片腕を支えていたネビルのお腹から離し、柄を強く握る
地面に着く寸前でグラグラしながらも箒はなんとかゆっくりと止まった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな∞(プロフ) - シェリーさん» コメントありがとうございます！シリーズ6まで更新中ですのでこれからもお楽しみ頂ければと思います😂💓 (1月30日 22時) (
レス) id: f85f1d83e7 (このIDを非表示/違反報告)
シェリー - 休憩中にちょっと読もうと思ったら、面白くて止まらなくなってしまいましたw次の更新楽しみに待ってます！ (1月30日 17時) (レス) id: 9ebb6b11e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りな∞
| 作成日時：2023年8月2日 1時
