白昼夢Ⅱ (ページ9)

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美月の反応はいつもピュアで

「ちょ、危な。」

美月「あっ、すみません」

人混みではぐれそうな手を取れば、顔を真っ赤にするし

「危なっかしいわほんま笑」

ニコニコと笑う彼女を見ながら

俺はどうしてあの手をとれなかったんやろ、っていつも頭に浮かぶ過去の記憶

あかんあかんって振り払う

彼氏が出来たのが初めてで

美月「夢見たい、笑」

って笑う彼女にちゃんと向き合いたいって

ー

大「もうあの子のことはええんや」

「…」

大「彼氏出来てたって泣いてたもんな笑」

「泣いてへんし」

大「…美月ちゃん、ええ子やん」

「うん。ほんまにええ子やねん笑」

俺の公開告白は話題になってからかわれたりしたものの、冬が来る頃には落ち着いて

俺たちは学年内でも安定のカップルになった

美月はわがまま言わへんし、2人共ケンカっぱやい性格でもないから喧嘩もないまま1年が経って

ちゃんと彼女のことを愛しいと思えたし大切にしてた

だから、彼女を笑わせたかったし笑ってくれたら嬉しかった

「もっとわがまま言ってええんやで？
彼女なんやから」

美月「ありがとう」

甘えるのが下手くそやった君を今ならもう少し上手く甘やかせてあげられるやろうか

2年目の文化祭

クラスの離れた俺たちは休憩を合わせて一緒に回る約束をしていて

1年経っても手を繋げば
耳まで赤くして嬉しそうに笑う彼女が可愛くて

「かーわい、」

美月「もー笑」

そんな日々が続くと思ってた

ー

恒例のダンス部の発表を終えて

大晴終わった!どこおる?
美月お疲れ様!中庭いるな〜
大晴すぐ行く!
美月焦らずおいで笑

急いで支度して美月の元へ

「福本先輩っ！かっこよかったです、！」

「え、あー、ありがとう」

「これ、良かったら…。家庭科部で作ったんです」

ラッピングされた可愛いマフィン

「ごめん、俺彼女おるからそれは受け取れない」

「…ぁ、そう、ですよね」

「でも見に来てくれてありがとうね」

急いで向かったら、他校の男に絡まれてる美月

だから1人でおらんとってほしいのに

「美月！」

牽制かけるように間に割って入る

「え、なに？カバ子彼氏出来たん？」

「ほら！さっきのポスターの奴やん！」

「え、彼氏さんはカバ子の元の顔知ってんの？」

元の、顔？

美月「…や、めて」

「こいつ、整形なんすよ」

な！と肩を置く奴の手を瞬間的に払う

「汚ぇ手でこいつに触んなや」