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真司郎side
西島の運転で走り出した車。
幸い帰宅ラッシュ前で、高速は思ったほど混んでいない。
この分だと、思っているよりも早く病院に行けそうだと思っていると、握りしめていたスマホが着信を知らせる。
見ると知らない番号からの着信で、きっと病院からだと思い、すぐに電話に出た。
真「もしもし!」
【もしもし、真司郎くん?高畑です】
真「先生!Aはっ、妻と子供はっ!」
早く今の状況を知りたくて、焦る気持ちから声が大きくなってしまう。
【Aさんが今、病院に運ばれてきたんだけど、その様子だと話は伝わってるみたいね】
真「…美里さんから聞きました、」
【それなら話は早いわね。
落ち着いて聞いてちょうだい。
Aさんの出血が酷くて、今ショック状態
にあって…。
母子共に危険な状態です】
真「そんなっ……」
【今すぐ帝王切開で赤ちゃんを取り出してあげな
いといけない。
それで真司郎くんの手術の同意が必要になるん
だけど、】
真「Aをっ!妻と子供を助けて下さいっ」
【わかったわ。
今から緊急帝王切開で赤ちゃんを取り上げるわ
ね】
真「先生!どうか、どうかAと赤ちゃんを
お願いしますっ!」
【全力を尽くします。
だけどもしもの時は……
覚悟しておいてちょうだい】
その言葉を聞いて目の前が真っ暗になり
スマホを持つ手が、自分の意思と反してがたがたと震えだす。
その震えを止めようと何度も、何度も手を固く握っても止まることはない手の震え。
覚悟って、なんの覚悟やねん…。
そんなもん、できるはずない。
そんなことっ、あるわけない。
Aにもしものことなんてっ…。
恐怖と絶望感に襲われて胸が張り裂けそうになりながら、その時に、ふと思い出す。
もしかしたら…、ゆいは、こうなることがわかってた?
今朝不安そうな顔をして、Aのそばから離れようとしなかったゆいには、もしかしたらこうなることがわかってたのかもしれない。
だから幼稚園に行きたくないって、
Aのそばにいたいって、言ったんやないんか…。
高畑先生から【勘の強い子かもしれない】って
言われてたのに。
なんで俺は、そのことを忘れとったんやろう。
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まりぃ(プロフ) - RUI1117さん» 最後までお付き合い下さり本当にありがとうございました。最終章は私も書きながら胸が痛かったです笑ですが応援して下さり方が支えとなり完結まで書き切ることができました、本当にありがとうございました。また戻ってきますので今後ともよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - 真央さん» 最後までお付き合い下さり本当にありがとうございました。あたたかいお言葉に涙が出る思いです。何度も挫けそうになりましたが待ってて下さる方がいるのが支えになり完結まで書き切ることができました。本当にありがとうございます。今後もよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - みかもんさん» あたたかいお言葉本当にありがとうございます。そんなふうに言って頂けるなんて涙が出る思いです。拙い私のお話を好きになってくれて本当にありがとうございました。この先も自分らしく言葉を紡いでいけるよう頑張りますのでこれからもよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - Takatakaさん» 嬉しいお言葉本当にありがとうございます、涙が出る思いです。長い物語見届けて頂きありがとうございました。いつになるかわかりませんがまた戻ってきますので今後ともよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - ふみさん» いつもあたたかいお言葉をかけて下さりありがとうございました。挫けそうな時いつも思い出していました。そのお言葉を支えに完結まで書き切ることができました、本当にありがとうございました。また戻ってきますので今後ともよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2019年12月3日 16時