もう1つの理由 ページ37
真司郎side
あ「浮、気……」
繋がれた手をぎゅっと握りしめたAは、か細い声で困惑したように聞いてくる。
あ「なんで、浮気してるって…わかったの？」
真「見てん俺。」
あ「…何を？」
真「男とホテルから出てくるとこ。」
Aに聞かれて、これまで一度も思い出す事のなかったその時のことが頭の中に蘇ってくる。
あれは偶然だったのか、それとも必然だったのか…。
その日俺は昼からの大学の講義が始まる前に、参考書が欲しくて大きな本屋に向かっていた。
目的の本屋は繁華街を抜けたところにあって、そこに行く近道を歩いていた時のこと。
その近道はいわゆるそういうホテル街が立ち並んでいるところで。
昼間から男一人で歩くのは気が引けたけど、俺の他にも一人で歩いとる人がおったから、なんの迷いもなくその道を歩いているその時だった。
少し先のホテルから出てきた1組の男と女。
こんな真っ昼間からようやるわ、なんてその時はなかば軽蔑するような気持ちで遠くから何気なくその2人を見ていたら、その女は見覚えのあるやつで。
その女はその時付き合っているヤツやった。
少し離れていたからそいつが俺に気付くことはなく、楽しそうに腕を組んで歩いて行くのを、俺は後ろからただ見ていた。
それを見てショックとか悲しい、怒りという感情が湧くことはなく、湧いてきたのは嫌悪感だけ。
目撃した翌日呼び出されて会うことになった俺は、何も知らないふりをして昨日何してたかそいつに問いかけた。
それに対してそいつは言われた事に疑問を持つこともなく"友達とカフェでお茶してた"とのうのうと言ってのけたのを聞いて、俺はその場で別れを告げた。
ちょうど英語に興味を持ち始めてた時やったし、目標もできたところやったから別れることに迷いは1つもなく。
その時になんやごちゃごちゃ言うてたけど
見たことを言う価値もないと思ったし、問いただして謝られたところで俺の気持ちが変わることはなかったから。
それがAと出逢う前に別れた最後のヤツで、俺が唯一振った女。
そのことがあって浮気という言葉も、浮気するやつも大嫌い。
どんな理由があろうと人としてありえない。
浮気が原因で俺から振ったやつがいることは、Aに話したのが初めて。
もちろん、西島にも話したことはない。
彼女を作るのをやめたのには目標ができたのもあったけど、実はそのことも理由の1つだ。
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まりぃ(プロフ) - K- Kさん» いつもありがとうございます！そのお言葉が何よりも嬉しいです(TдT)次の章では幸せなお話を書いていけたらと思ってますので、これからもよろしくお願い致します(*^_^*) (2019年3月12日 12時) (
レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
K- K - 本当にこの作品大好きです！これからも二人がずっと幸せでいてほしいですね。これからも応援してます！楽しみにしてます！ (2019年3月9日 10時) (レス) id: 7746b24c2c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - 全然楽しんでストーリー読んでいるのでまりぃさん気にしないでくださいよ！新しい章のストーリーがどんな始まりだか今からどんなのかまだ私には想像つきません！ (2019年3月9日 3時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - K- Kさん» 身を持ってヒロインさんを守る姿っていいですよね(*^_^*)少しでも楽しんで頂けてたら幸いです(*^_^*) (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - めぐさん» 醜い嫉妬に突き動かされる姿が書きたくてこういうお話になりました。ここまでずっと優しくて人思いだったヒロインさんが見せた初めての姿いかがだったでしょうか…。楽しんで頂けてたら幸いです。 (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりぃ
| 作成日時：2019年1月15日 16時
