不安な心 ページ35
あなたside
読み終わったらしい真司郎はスマホを閉じると枕元に戻し、私の頭を撫でてくれる。
その表情は苦虫を噛み潰したような表情に見えて。
思っている事は話してほしいと前からずっと言ってくれていた真司郎。
このまま、不安な心を抱えたままでいたくない。
抱きついた身体から真司郎をじっと見上げた私は重い口を開いた。
あ「真司郎は、その…浮気とか考えた事…、」
思っていたよりも小さくなってしまった声に、真司郎は少しだけ困ったような顔をしたあと。
真「俺が?浮気?あるわけないし、考えたことも
ないわ、」
そう言って眉間にしわを寄せてむぅとした顔をするとムギュッと私の鼻を摘んだ。
あ「疑ってるとかじゃないよ?
そうじゃないんだけど…。」
真「友達の事があって不安になった?」
あ「ん…。」
疑っているわけじゃない。
そんな事ないってわかってる、わかってるけど
今まで不安が全くなかったわけでもない。
今回の友達の旦那さん…元旦那さんの浮気の事があって、不安が胸の中に広がったのはたしかで。
その元旦那さんから手を出したのか、はたまた相手の子がけしかけたのか、その子が結婚しているのを知っていたのか真相はわからない。
わからないからこそ余計な不安が胸をかすめる。
友達は【心の整理はついてる】とは言っていたけれど、嫌な気持ちを思い出させたくなくてそのへんは聞かなかった…というよりも聞けなかった。
あ「真司郎にその気はなくても、向こうからって
事もあるかもしれないし…。」
私達が結婚した事は社内報で報告されたから、会社の人達は知っている人がほとんどだとは思う。
けれど外部の人は?
これから入ってくる新入社員は?
誰かが言わなければわからないだろうし、既婚男性は独身男性よりもモテる、なんて事も聞いたことがある。
もしかしたら…なんて事があるかもしれないと思うと、正直不安は尽きない。
ぐるぐるとそんな事を考えていると。
真「A、ここきて。」
ポンポンと叩いて見せた真司郎の足の間に体を寄せると、後ろから包み込むように抱きしめられ、手を絡ませて繋いだ。
こういう時は、何か大切な事を話すとき。
真「友達の事があって不安やろうし、いい機会
やから話しておきたいことがある。」
あ「話して、おきたいこと…?」
真「おん、俺の過去の話。
聞きたくないかもやけど、知っといてほし
いことがある。」
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まりぃ(プロフ) - K- Kさん» いつもありがとうございます!そのお言葉が何よりも嬉しいです(TдT)次の章では幸せなお話を書いていけたらと思ってますので、これからもよろしくお願い致します(*^_^*) (2019年3月12日 12時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
K- K - 本当にこの作品大好きです!これからも二人がずっと幸せでいてほしいですね。これからも応援してます!楽しみにしてます! (2019年3月9日 10時) (レス) id: 7746b24c2c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - 全然楽しんでストーリー読んでいるのでまりぃさん気にしないでくださいよ!新しい章のストーリーがどんな始まりだか今からどんなのかまだ私には想像つきません! (2019年3月9日 3時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - K- Kさん» 身を持ってヒロインさんを守る姿っていいですよね(*^_^*)少しでも楽しんで頂けてたら幸いです(*^_^*) (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - めぐさん» 醜い嫉妬に突き動かされる姿が書きたくてこういうお話になりました。ここまでずっと優しくて人思いだったヒロインさんが見せた初めての姿いかがだったでしょうか…。楽しんで頂けてたら幸いです。 (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2019年1月15日 16時