込めた願い ページ22
西島side
お腹が空いたのか突然泣き出した息子と、隣の和室に行っていた実彩子が戻ってくる。
お腹が満たされたらしく腕の中ですやすやと寝息をたてていた。
実「A、はい。」
あ「え、いいの?」
実「うん、まだ抱っこしてくれてないでしょ?」
実彩子が入院中毎日顔を出してくれていたAちゃんはみんなに遠慮したのか、今日はまだ1度も抱っこしていなかった。
実彩子から静かに受け取ったAちゃんは嬉しそうに顔を綻ばす。
あ「このミルクの匂い大好き。」
赤ちゃん特有の匂いは俺も好き。
あ「ほんとになんでこんなに可愛いんだろ。
ねーたっきゅん。あ…噛んじゃった。」
それを聞いたみんなは肩を震わせる。
真「A、たっきゅんて笑」
あ「もーそんなに笑わなくてもいいじゃない。」
ぷくっと恥ずかしそうに頬を膨らませたと思えば。
あ「ねぇ西島くん、たっくんの名前にはどんな
願いが込められてるの?」
ふいに聞かれて、名前をつけたときの事を思い出す。
息子の名前は【
性別がわかってから実彩子と2人で悩んで悩んでつけた名前。
最終的には俺が決めたんだけど。
名前の候補は全部で3つあった。
星が好きな俺は星に関係した名前も考えたし、海も好きだから海に関係する名前を考えた。
近年キラキラネームなんてのが流行ってるらしいけど、俺はそんなのつけたいと思わなかったし、みんなに親しんでもらえて覚えてもらいやすいものにしたかった。
結局たくさんの名前の中から3つに絞って、産まれてきてくれた我が子を見た時に拓海に決めたんだ。
西「名前に込めた願いはたくさんあるよ。」
末「たとえば?」
西「拓って字は【開拓】って字で使われてる
じゃん?
自分の可能性を信じてその先の道を切り開い
ていってほしいって願いが込めてあんの。」
まだまだ先の話だけど自分のやりたい事を見つけた時それに向かってどうすればいいか考えて将来への道を自分で切り開いていってほしいという願い。
西「あとは海のように広い心を持ってほしいって
願いかな。
これから出会う全ての事に対して広い心を持
って接してほしいって願い。」
生を受けた時から拓海の人生はもう始まっていて、これから先理不尽な事や納得できないような事も経験するだろう。
だけどそれに対して狭い視野じゃなくて、広い視野で物事が見れるように。
そんな願いを込めて。
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まりぃ(プロフ) - K- Kさん» いつもありがとうございます!そのお言葉が何よりも嬉しいです(TдT)次の章では幸せなお話を書いていけたらと思ってますので、これからもよろしくお願い致します(*^_^*) (2019年3月12日 12時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
K- K - 本当にこの作品大好きです!これからも二人がずっと幸せでいてほしいですね。これからも応援してます!楽しみにしてます! (2019年3月9日 10時) (レス) id: 7746b24c2c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - 全然楽しんでストーリー読んでいるのでまりぃさん気にしないでくださいよ!新しい章のストーリーがどんな始まりだか今からどんなのかまだ私には想像つきません! (2019年3月9日 3時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - K- Kさん» 身を持ってヒロインさんを守る姿っていいですよね(*^_^*)少しでも楽しんで頂けてたら幸いです(*^_^*) (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - めぐさん» 醜い嫉妬に突き動かされる姿が書きたくてこういうお話になりました。ここまでずっと優しくて人思いだったヒロインさんが見せた初めての姿いかがだったでしょうか…。楽しんで頂けてたら幸いです。 (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2019年1月15日 16時