繋いだ手2

理由 ページ40

真司郎side


俺はAの少し茶色で柔らかくてさらさらで綺麗な髪が好き、ずっと触っていたいくらい。


乾かし終わったAの髪を指に巻き付けたりして遊んでてんけど、Aって最初の頃髪短かったやんな？


ボブくらいの長さでそれはそれで可愛かったな、なんて思い出した。


でもいつからかAは髪を伸ばすようになってて今では随分と長い。


元々長くてあの時は短かっただけで短いのに飽きてまた伸ばすようになったんかな？なんてふと思って軽い気持ちで聞いてみただけやってんけど、俺さえ忘れてたような答えが返ってきた。


真「なんで伸ばし始めたん？」


あ「え、あー、うーんと…。」


隣のAは眉を少し下げて困ったような顔をしたから、え、何か言いにくい理由でもあるん…と心なしか不安がよぎる。


Aの事好きすぎて何でも知っておきたいなんて、俺重い？


言いにくそうにしながらも俺の目をまっすぐみつめたAは少しずつ口を開く。


あ「…初めて2人で出掛けた時の事って、覚えて
　 る？」


真「おん、覚えとるで映画行った時やろ？」


飲み会をしてすぐの頃Aも映画が好きやってわかって俺が誘ったんや、忘れるわけない。


あ「映画行った後に真司郎おすすめのパンケー
　 キ屋さん行ったじゃない？
　 その時に真司郎が髪の長い子がタイプだっ
　 て言ったから…伸ばしたの。」


思い出した、たしかその時Aにどんなタイプの子が好きか聞かれて答えたんやった。


その時に言った俺の言葉を聞いて伸ばし始めたって事？


たしかに髪が長い子タイプやとは言ったけど、俺その時もうAの事好きになっとったし、というか髪短いままでも好きになっとった。


やって俺Aの笑ったとこ好きになったんやもん、髪の長さなんてその時関係ない。


真「…元々髪長かったから短いの飽きてまた伸ば
　 し始めたとか、やなくて？」


あ「ずっと短かったよ。
　 でも真司郎が髪長い子がタイプだって言っ
たから、少しでもそのタイプに近付きたく
　 て…///」


照れてるのか頬を染めて言ったAはぱっと目線を下げそんな姿をじっと見つめながら
、ふと思う。


…ちょっと待って、A、その時からもう俺の事好きやったって、事…？なん？

あの頃→←ドライヤー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す