美彩は知っている

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お互いに誉めあって、顔が赤くなって、微妙な雰囲気になった。


普段の私なら、『どうしよう』と焦るのだが、何故だか今は焦らなかった。



心地良かった。


初めて。


人との間が心地良いと感じるなんて。







だけど、話さないと。



人の波が私達を押し潰そうとしているようで。


ここから動かないと。



まだ繋がれたままの手を眺めながら、私は言った。







彩「…お腹空いちゃった。なんか、食べたいな。」



私の視線に気付いたのか、上杉君は慌てて手を離し、目の端を赤くした。



上「ん、入口にソフトクリーム売ってた。」









今度ははぐれないように。





彼のチェックのシャツを見失わないように。









私から、手を繋いだ。









何回も書くけど、上杉君の手はあたたかい。






だけど、何故か、さっきよりも熱くなっているような気がした。









　


熱があるのかも、と思い上杉君の顔をチラッと見ると。






耳まで真っ赤だった。


イチゴ…いや…完熟トマトみたい。






………私も急に恥ずかしくなってきちゃった。



今の自分の顔、赤いんだろうなぁ。






変な気持ちになる。









翼に…キ、スされた時に似ている感情。









え、まさか、







上杉君に恋、しちゃった。とか？









　







__________________まさか、ね。

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