美彩は知っている

キュ。 ページ11

「ごめん。」







吐息まじりの声。



時間に遅れてきたときの「ごめん」じゃない。



なんか、絞り出すような…苦しい感じ



何故か私の心までキュ…っと締め付けられた。





フニ。



人差し指で自分の唇をなぞる。






なんで、キス？






意味わからない。






でも、嫌じゃなかった。








………私、何思ってんだろ。









何故か、彼と居るとドキドキして。






何故か、貴方と別れると切なくて。









何故か、無性に、会いたくなる。









　

私は、この気持ちに名前をつける事ができる。




今まで持つ事のなかった感情。









きっと、







いや、








絶対に、これは


　









　 恋









って言うんだ。

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