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14時間前 ページ36

「さあ、松岡。手伝ってくれ」
「え、何を」
「決まってるだろ。逃げるんだよ。私が病院にいないとなれば、総悟も万事屋さんも、次に向かうは九石榴と松島だ」
ジェスチャーで肩を貸してくれと頼まれ、松岡は彼女の右腕を肩に回し、彼女を持ち上げた。どうやらあばらが折れているらしい。彼女は痛みに悲鳴を上げることもせず、苦痛を顔に浮かべただけだった。
その瞬間、ごうん、ごううんと唸るような音が響いた。まるで地上の建物そのものが揺れているような、地鳴りに似た音だった。バタバタと足音が聞こえ、黒服が走ってどこかへ行くのが開きっぱなしの扉から見えた。天人の姿もある。
「ほらね」
「あっあぅ、ど、どうしましょう」
「…大丈夫。地下はまだ安全だ、ゆっくり逃げよう」
「大丈夫ですかぁ〜〜〜〜〜〜?」
突然間抜けな声の女中が走ってきた。清掃をしていたのか、彼女はエプロンも三角巾もつけている。そして、その声はどこかで聞いたような、ハスキーな声だった。

銀時の木刀で顔を殴られた黒服は吹っ飛ばされた。
相変わらずメイド服の神楽と女中の格好をした新八が、後方で彼に襲い掛かろうとする黒服を蹴り飛ばし、殴り飛ばし、モップの柄で殴り。
辺りを見回しても、人間ばかりで天人の姿はない。そして、多くいるのは攘夷志士らしい和装にピエロのペイントとちぐはぐな格好をした輩だった。過激派の攘夷志士というのは自明だった。
重火器を持っているのを見るや否や新八と神楽の首根っこを掴んで机を倒し、その裏に隠れた。
「どうするアルか」
「どうするも何も、ここは外れだったみてぇだな」
「そうでもないですよ。攘夷志士がここにいるってことは、やっぱり取引があったってことですから。現場の証拠を押さえれば護清十郎君は関与していないって証明できます」
「新八のくせに頭良いアルな」
「なあ、新八のくせに」
「うるせぇえええええ!新八君だってやればできるんだよコノヤロー!!!!!」

「総員砲撃用意!!!ってぇーーーー!!!!」
野蛮人と見紛えそうなバズーカをこちらに向けて、土方の指揮のもと、松島の会社が猛攻を受ける。
彼は舌打ちをして、周囲を黒服で固めながら、ヘリのある屋上へ向かっていた。電力がダウンしたこの高層ビル、階段を後から追いかける他の新選組が刀を振るっていた。
黒服がマシンガンを時折撃って最低限近づかないようにしていた。
「クソ!!」
松島は一番足もとに近かった黒服を蹴り落とし、真選組の進行を防いだ。

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ソーサラー(プロフ) - たたさん» ありがとうございます! (2021年11月11日 12時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
たた(プロフ) - あとがきの言葉を含め、とっても素敵なお話しでした。😌 (2021年11月8日 13時) (レス) @page49 id: 3fb8fe7daf (このIDを非表示/違反報告)
ソーサラー(プロフ) - ☆さん» ありがとうございます。褒められて調子に乗らないように、頑張ります。 (2021年8月17日 0時) (レス) id: 1368eb388d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 表現の仕方が丁寧で、神秘さと儚さ、知的さを持ち合わせていながらどこか子供のようにあどけない夢主ちゃんの魅力がたっぷりと伝わってきました。とても好きです…。無理なさらず頑張ってください!応援しております! (2021年8月16日 13時) (レス) id: 9c28cba465 (このIDを非表示/違反報告)
ソーサラー(プロフ) - ことにゃさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2021年8月2日 22時) (レス) id: 1368eb388d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソーサラー | 作成日時:2021年7月22日 23時

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