モハメド・アブドゥル ページ29
メイドにならないか、とAに言ったジョースターさんを見た時はひどく狼狽したものだ。
髪も伸びきって、泥だらけで、ボロ雑巾のような彼女に、メイドなんて。しかも彼女は間接的にでも自分の所為で人が死んでも無関心で、悪魔だと噂される程だ。ある意味では可哀想かもしれないが、やはりスピードワゴン財団の研究機関に任せる方が安全だ。
しかし彼女はジョセフがそう言うや否や、立ち上がって紅茶が入ったカップを彼に投げつけた。怒りの表情というにはあまりにも冷淡で、彼を睨みつけたままだった。ガチャン、と彼の足元で割れる音がした。
「馬鹿にしてんのかジジイ、そんな餌で釣られるかよ」
ジョセフの後方にいるアブドゥルのことなんか気にも留めない様子だ。
「何を言うんだ！」と後ろから怒鳴ると、ジョセフはこちらをチラリと見ただけだった。Aはアブドゥルを指差して、「あいつみたいに色が黒いってだけで家をなくした家族がいる。生みすぎたってだけで捨てられた子供がいる。みんな助けろよ、やるなら全員救出しろよ」と、今度はローテーブルに膝をついて、ジョセフにメンチを切る。
「やれよ、やるって言えよ、できねーくせに出しゃばんな」
流石にあの距離で幽波紋を出されたら、そう思いアブドゥルは彼女に近づこうとすると、今度はジョセフが彼女の頭を優しく撫でる番だった。
「よく頑張った、その細く小さい体で」
「さわんなッ！？」
Aは跳ね返るように後退るが、ジョセフのハーミッド・パープルで既に彼女は雁字搦めだ。
「君のその強い心に敬意を表する」
「ジョースターさん、これは…」
アブドゥルが話しかけると、ジョセフは慈しむように彼女を見つめながら語る。
「彼女の幽波紋は、弱者を守る能力ってことじゃ。攻撃もできん、この場にすぐ呼ぶことも不可能、であれば、彼女を危険と言うのはおかしい」
「…ジョースターさんがそう言うなら、私は何も言いませんよ」
「そうだ、君の領地にはどんな人間がどれくらいいる？」
Aは俯いて「140人弱。孤児が70、大人が30、家族連れが10組程度」と呟くように言った。
ジョセフは至急アパートの空きを確認させ、苦笑いで彼女とまた向き合った。彼女は泣くまいと必死に涙を堪えていた。
「君が守ってきた人々は、君のことが大好きなんじゃろうな」
彼女はやっぱり耐えきれず涙を零す。
「…仕事、あるよな、みんな」
「勿論じゃ」
相変わらずのジョセフの羽振りにアブドゥルは実に4つ目の肝をぬかれた。
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ソーサラー(プロフ) - まあちゃんさん» 大変長らくお待たせしました！地道に書いていきます！ (2020年10月16日 0時) (
レス) id: 3646a202a2 (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 更新再開嬉しいです！とても楽しみにしておりました…！お身体に気をつけてお過ごしください！ (2020年10月15日 23時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 最近アニメ3部の再放送が始まってDIO気になっていたのでこの小説読んでる時はを見つけられて良かったです！関係性がすごく好きで、どうなるのか楽しみです！！ (2020年5月12日 2時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - やっぱりDIOは死んじゃうのかな、、、どちらにせよ楽しみにしてます！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
ソーサラー(プロフ) - もっちさん» 人混みは避けて手洗いを徹底しましょうね、夢主ちゃんはこれからコロナ対策張りに苦しい思いをするので楽しみにしててくださいね〜 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 373aaa0dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーサラー | 作成日時：2020年3月16日 12時
