2 ページ21
…何処ここ。
ふと気がつくと真っ白の空間にいた。壁も天井もない。直立していたので足を見ると、氷ではなく肉だった。こんなはっきり意識がある夢を見るのも珍しい。
「やっと来ていただけました〜！」という可愛らしい声が後ろから聞こえ、Aは振り返る。
「いつまで経ってもおいでしてくださらないから半ば強引で申し訳ありません」
そこにいたのは自分と瓜二つの、メイド。服装は中世ヨーロッパのものだろうか。髪がしっかり収まったキャップが古臭さを醸し出している。
「DIOが好きな子か」
こうしてみると自分とはだいぶ似て非なる。ヤンキー感が拭えないとよくローゼスが困難していたのを思い出した。
「あはっ、おやめくださいませ。ディオ様は誰にも恋慕なさらないお方でございます。申し遅れました、私ゴーグロア家長女アナスタシアと申します」
彼女は綺麗に30度礼をする。
「A。苗字は無い。…ここは何処だ、お前は何だ、私はどうすればいい」
「はい、おひとつずつご回答させていただきます。ここは所謂宇宙にも似た空間、精神世界でございます。夢の世界だとお思いください」
「ふーん…ん、お前歳いくつだ？」
「流石、ジョセフ様がお見込みになった方ですね。享年は20ですが、今は12の時の姿でご登場させていただいております」
何でもありの空間は確かに現実離れしている。ここは現実とは別。
Aは密かに納得した。
「私はもう死んでいるので現実から貴方様に干渉することは不可能でございます。なので我々幽霊はこうやって生と死の間の空間でお互いに面会します。と、言うわけで私は幽霊です」
それは言われんでも、と思いながらAは頷いた。
「貴方様に何をしていただきたいか、ということですが…まずは遊びませんか」
「何でや」
「せっかく来ていただいたので、私が遊びたく存じます」
アナスタシアはニコニコしてて、年相応という感じだった。
優しくて可愛くて、包容力がある。そういう理想的な女の子だ。
全然私と違うじゃあないか。
「何が代わりだよ、お前と私ぜんっぜん似てないだろ」
「そうでしょうか？」
アナスタシアは首を傾げてまじまじ見るが、見た目の話ではない。
DIOには彼女がどう映っているのか知らんが、これとあれを同じに見立てるのは失礼だろ。彼女の丁寧な英語と私のアメリカ訛りを同じにしてはいけない。
「何する？」
「鬼ごっこなんていかがでしょう？私が鬼です。10秒後追いかけます。捕まったら負けですからお気をつけて」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソーサラー(プロフ) - まあちゃんさん» 大変長らくお待たせしました！地道に書いていきます！ (2020年10月16日 0時) (
レス) id: 3646a202a2 (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 更新再開嬉しいです！とても楽しみにしておりました…！お身体に気をつけてお過ごしください！ (2020年10月15日 23時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 最近アニメ3部の再放送が始まってDIO気になっていたのでこの小説読んでる時はを見つけられて良かったです！関係性がすごく好きで、どうなるのか楽しみです！！ (2020年5月12日 2時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - やっぱりDIOは死んじゃうのかな、、、どちらにせよ楽しみにしてます！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
ソーサラー(プロフ) - もっちさん» 人混みは避けて手洗いを徹底しましょうね、夢主ちゃんはこれからコロナ対策張りに苦しい思いをするので楽しみにしててくださいね〜 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 373aaa0dac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソーサラー | 作成日時：2020年3月16日 12時
