Share Love

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T side


*




「……毎日会いたい。お互い起きてる時に顔合わせられなくても、見るのが寝顔だけでもいいから。 …毎日会って、触れたいし抱きしめたい。誰よりも一番傍に居たい」




恋人の撮影はもうすぐで終わる

でも自分はドラマが続く為、お互いに落ち着いてゆっくり時間が取れるのはまだまだ先になるだろう

プライベートで会わなければ顔を見れるのだってグループでの仕事の時ぐらいだ

離れてる事が不安なのではなく、

これは本当にただ単純に

"お願い"とかこつけた自分の我儘そのもの




「…そんなんでいいの？」

「…それがいい。ガヤの家行くのでも、俺の家に来て貰うのでも、その日都合良い方に合わせるのでも方法は何でもいい。ドラマが終わるまでの間だけでも…同じ家に帰りたい」

「…ん、分かった。たまがそれが良いって言うならそうしよう」




家に帰れば、家で待っていれば

必ず恋人に会える

それだけで多忙な日々も大変な撮影も頑張れる、乗り越えられる
そう思うから




「あと…、」




お願いを聞いてくれるついでにもう一つ今、我儘を言ってもいいだろうか

横向きに寝ていた身体を起こし、再度組み敷いて恋人を上から見下ろす

鼻先が触れそうなギリギリまで顔を近付けた




「…ねぇ、今日はもう一回ガヤの事ちょーだい…？」




そう伝えれば一瞬揺れて、直後に優しく緩められる目元

言葉が返ってくる代わりにゆっくり首の後ろに回された腕に引かれ、吸い込まれるかの様にそのまま唇にキスを落とした





*




*





自分の我儘とお願いを聞いて貰い、毎日家に行ったり来て貰ったりの半同棲の様な生活があれから続いていた

一昨日、先に全ての撮影が終わった恋人

村井さんはあの後何もしてくる事無く、あんなにしつこかったアプローチも一切無くなっていた

結局何だったのか

何がしたかったのか

謎は残るし疑問はほぼ解決もしてないけど、無事に映画を撮り終えられた事

それが何よりだった

全体の撮影オールアップの日

事前に聞いてた通り最後に皆を代表して恋人から村井さんに寄せ書きが渡され、それが全員からのサプライズという事、

主演だからとはいえまさかガヤから手渡されるとは思わず驚いてたのと、ちょっと泣きそうになってたと聞いた

そんな様子を見て彼女がやってきた事は許せる訳でも無いけど、もしかしたら何か事情があったのかもしれない

深い理由があったのかもしれない




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