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T side


*




そっと、頬に触れれば不意に顔が近付きチュッ、と軽いリップ音を立ててすぐに離れた

いつでも俺を誘惑ばかりするその甘く美味しい唇は、口角が上がって綺麗な弧を描いている




「……ねぇ、俺もう空腹で我慢出来ない。 …食べてもいい?」




頬に触れてた手を口元に移して親指で少し厚みのある唇を撫でた

一瞬驚いた様な表情を見せた直後、すぐに言葉の意味を理解してくれた彼はふっと小さく笑い、首の後ろに腕を回してキスを落としてくる




「…お好きなだけどーぞ?」




今、目の前で強くギラっとした色を纏わせてる瞳が、この後組み敷いて自分の手で全身蕩けさせ妖艶に甘い声を上げる様へと変貌していくのかと思うと想像するだけでゾクゾクして堪らなく興奮する

早く熱を分け合いたい

少しばかり強気な言葉を紡ぐ唇を塞ぎ深く深く、繋げながらそのまま身体をソファへと押し倒した







「……え、最後?」

「うん。今の映画の撮影で最後の仕事だって」




身体の隅から隅まで愛し、たっぷり思う存分恋人を堪能したあと、

軽くシャワーを浴びて寝るだけの状態になった時、ベッドの中で「話がある」と聞かされたのは村井さんの事だった

折角の時間に何でいま…と思ったものの、それは予想とは全然違う、少しびっくりする内容で




「親御さんが倒れて田舎に帰る事になって、その前最後にて決まったのが今の映画らしいんだ」




彼女は撮影が全て終わったら仕事を辞めて田舎に帰り、

体調も安定したら親御さんの治療と静養の為に家族皆で海外に引っ越すとの事

正直、撮影が終わってもきっと何かと理由を付けては恋人に言い寄ってくるのだろうなと考えていた

それが確実に有り得なくなるのは安心と言えば安心だけど、まさかそんな事実があったなんて…




「…でもそれと、ガヤにこんなしつこく近付いてくるのは全然結び付かないし理由にもならないでしょ」

「うん、そこはね。何で村井さんがあんなに一生懸命なのか…俺達には分からないけど、」




もうこれで会えなくなるからせめて最後に…

そんな風に考える気持ちは分からなくもないが、だからといって彼女のやった事を決して肯定する訳にはいかない

第一、実際のところ本心はどうなのかそれこそ読めないのだから

今此処で話してる内容も例えも、結局は全部憶測に過ぎない




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kurumi(プロフ) - yuzu_さん» ほんの少しでも日常の楽しみの一部になれていたのなら筆者としては何よりです。ありがとうございます。私としても二人の生活をまだまだ書きたい欲はあるのでまた機会がありましたらよろしくお願いします(´˘`*) (2022年6月26日 11時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - 毎日このお話が更新されてるか楽しみにしてました!また続編が見られますように。。!更新お疲れ様でした! (2022年6月25日 13時) (レス) @page49 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - かなさん» これからどんどんモブ女性が掻き乱してくれるので(笑)暫くモヤモヤさせてしまうかもです(^ω^;)💦どうか、暖かく見守ってあげてくださいm(*_ _)m(笑) (2022年5月9日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 読んでるこちらもTさん同様既にモブ女性に嫉妬し始めました(笑)モヤモヤしながら読むと思いますが更新が楽しみです。 (2022年5月8日 18時) (レス) id: 19b3f9018a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kurumi | 作成日時:2022年5月7日 2時

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