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T side
*
収録の事で呼ばれたならそんな掛からないだろうと、焦っていた気持ちをどうにか落ち着け自分も荷物を置いて着替えへと向かう
「………、」
あれから彼此20分は経っていた
直後にニカが戻って来たものの、恋人は以前お世話になった方の楽屋を偶然見つけ挨拶していくと、途中で別れたらしい
挨拶するだけなんてそんな、時間掛かるものだろうか…
ただ話が盛り上がってしまっているだけなら構わない
…でも、なんだか嫌な予感がして仕方なかった
自分と会えなかった間も、向こうからのアプローチは変わらずだと聞いていた
当たり障りの無い程度に、やんわりでもキッパリと断り続けているとも…
だけど正直彼女はちょっとやそっとでは動じないだろうという事も気付いてはいた
関係無い現場に押し掛けることも、第三者から連絡先を上手く聞き出すなんてことも、普通ならばそこまでやらないし出来ない
収録の時間も近付いてきてる
そろそろ戻って準備もしないとだろうに…
彼は一向に帰ってこない
「…ワタ、俺ちょっと探してくる」
やはりいても立っても居られず、
すぐ近くに居た恋人の親友に一言声を掛けスマホだけ持って急いで楽屋を出た
何処に居るかなんて当てはないが行きそうな所としてまず自販機の置かれてるちょっとした休憩スペース、喫煙所と覗いてみるも見当たらず
ニカから聞いた挨拶に行ったのは恐らくこの方だろうという俳優さんの楽屋近くも偶然通ったが、
丁度ご本人が出て来てたところだったのでまだそこに居るかもしれないという仮説は一気に無くなった
だとすれば考えられるのはもう…
「ぁ……っ、」
時間もあまりない
後は何処を見て回ろうかと考えを巡らせるとほぼ同時
少し先に探していた恋人と、確かにその手を引いて一緒にこちらからは角の向こう側に見えなくなった村井さんを見掛けた
あの辺は今日は使ってない空き部屋が殆どの筈
まさか…
更なる嫌な予感に慌てて二人が見えなくなった方へと足を進めた
廊下の角を曲がってすぐ、パッと見渡しただけでも他の部屋は「空室」と表示されてる中一つだけ「使用中」になってる会議室
そこしか考えられない
万が一間違っていたら謝れば良い話だ
逸る気持ちには抗えず、少しばかり乱暴にドアノブを掴んで一気に開く
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kurumi(プロフ) - yuzu_さん» ほんの少しでも日常の楽しみの一部になれていたのなら筆者としては何よりです。ありがとうございます。私としても二人の生活をまだまだ書きたい欲はあるのでまた機会がありましたらよろしくお願いします(´˘`*) (2022年6月26日 11時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - 毎日このお話が更新されてるか楽しみにしてました!また続編が見られますように。。!更新お疲れ様でした! (2022年6月25日 13時) (レス) @page49 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - かなさん» これからどんどんモブ女性が掻き乱してくれるので(笑)暫くモヤモヤさせてしまうかもです(^ω^;)💦どうか、暖かく見守ってあげてくださいm(*_ _)m(笑) (2022年5月9日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 読んでるこちらもTさん同様既にモブ女性に嫉妬し始めました(笑)モヤモヤしながら読むと思いますが更新が楽しみです。 (2022年5月8日 18時) (レス) id: 19b3f9018a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年5月7日 2時