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T side
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此処にこのまま長く留まらせて万が一風邪でもひかせたら大変だ
それに折角の滅多に無いお誘いを断るなんてそんな勿体ないことも出来ないから、
「…ま、待って、すぐに準備するから……っ、」
お風呂に入るなんて、
生活の中で毎日必ず当たり前にあるルーティンみたいなもの
なのに何が必要だったか、何から用意すればいいか、
まるで初めての事みたいに頭の中で反復しながら一つ一つ確認作業を行わないと辛うじて片隅に残ってる冷静さなんて、あっという間に消えて無くなりそうだった
「…先に入ってる」とするりと腕から離れていく恋人
最大級に照れている状態の彼の気分は簡単に好転も悪化もしてしまう
一変する前に急がなければと、泊まりに来た時用に置いている着替えを取りにバタバタと慌ててクローゼットのある部屋へと向かった
紙一重以上にギリギリのところで耐えていた理性なんてあまりに脆くて頼りないもの
湯船の中で直接肌と肌が触れ合えば当然我慢の壁は簡単に崩れてしまう
「優しくしてくれるなら…」なんて、本日最大級のころし文句を貰って黙っていられる訳もない
お望み通り、優しく美味しく
隅々まで愛して堪能させて貰った
夜の甘い時間を存分に楽しませて貰った後は、いつもの様にピロートークでまったりした時間…を過ごす前に今回はちゃんとしっかりと、
普段以上に恋人の身体のケアを優先した
前日の名残も残る中更に上塗りをしてしまった状態だから、
氷を幾つかビニール袋に入れ柔らかいタオルで包んでうつ伏せにさせた腰に乗せる
今日はある意味彼から誘われた様なものだけど
それでも負担が掛かってしまうのはどうしても受け入れる側
明日からまたお互いに忙しくなりこうやってゆっくり会うのも難しいから
溜め込まない様にと、今のうちに労わって身体の負担を少しでも減らしてあげたい
自己の体調管理には厳しい割に、すぐ無理をしてしまうのも恋人の悪い癖だ
暫くは一番傍に居て気遣ってあげる事も出来ないから今日やれることは全て済ませ明日以降気にせず仕事に没頭出来る様準備を整えておきたい
「他に痛い所とか無い?」
「ん、大丈夫。ありがとう」
優しくふわりと笑う笑顔に自分の目元も緩んでいく感覚
次は会えてもメンバー全員での仕事でだし、
そもそも家ではないから触れ合う事だって我慢が必要
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kurumi(プロフ) - yuzu_さん» ほんの少しでも日常の楽しみの一部になれていたのなら筆者としては何よりです。ありがとうございます。私としても二人の生活をまだまだ書きたい欲はあるのでまた機会がありましたらよろしくお願いします(´˘`*) (2022年6月26日 11時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - 毎日このお話が更新されてるか楽しみにしてました!また続編が見られますように。。!更新お疲れ様でした! (2022年6月25日 13時) (レス) @page49 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - かなさん» これからどんどんモブ女性が掻き乱してくれるので(笑)暫くモヤモヤさせてしまうかもです(^ω^;)💦どうか、暖かく見守ってあげてくださいm(*_ _)m(笑) (2022年5月9日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 読んでるこちらもTさん同様既にモブ女性に嫉妬し始めました(笑)モヤモヤしながら読むと思いますが更新が楽しみです。 (2022年5月8日 18時) (レス) id: 19b3f9018a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年5月7日 2時