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T side


*




「…家にお邪魔して二人で居るのに…。俺に、一晩ガヤに触れないで過ごせなんて拷問以外の何ものでもないよ。 …しんじゃう」

「…たま、」




…あ、ちょっとため息混じり

でも俺だってそう簡単には諦めないんだから

「…ねぇ。お願い」と駄目押しで懇願してみる

本来なら抱きしめたいのをぐっと抑え、手だけ軽く握って目を真っ直ぐに見つめた

"我儘を言ってもいい"と許してくれたのを、ここぞとばかりにフル活用させる




「キスも、駄目?」

「…それこそ、触れるだけじゃ済まないでしょ」

「………」




全て、物の見事に痛いとこを的確に突かれてしまう

仕事をさせて貰ってる以上、常に万全の体制で挑むのは当たり前

体調面だって人一倍気を付けなければいけないのが自分達のやるべき事なのだとは充分過ぎる程に分かってる

…でも、でもだ、

そうは言ってもアイドルだって一人の男で、人間で

大好きな恋人にはいつだって触れたいし抱きたいと考えるのは普通の事だとも思うのだけど…

うちの小さい最年長と並んで仕事に取り組む姿勢やらに厳しい彼はそれでも簡単に承諾してくれそうにもなかった




「…折角沸かしてくれたの勿体ないし。とりあえず俺、先に入ってきちゃうね」




「たまはゆっくりしてて」と、腕を軽くぽんぽんと叩いてガヤはお風呂へ行ってしまった

…え、待って、なにそれ…、

明らかに、欲を伴わない"あえての"触り方

そりゃ確かに昨日無理をさせてしまったのは反省もしてるけど…

でもそれだって久しぶりだったから

家でゆっくり会えるのも

甘い時間を過ごせるのも

我慢を強いられていた分、どうしたって歯止めは効かなくなってしまう

なのに、

避けられてると感じる訳でもないが今のこれはあまりにも…

寂しくて胸がぎゅっ、となる




「……っ、」




怒られるかもしれないし、もしかしたらまた禁止令も出されるかもしれない

それでも、

例え今日このまま我慢してもこの後も気まずさを引き摺る事を考えれば

強行突破で触れておきたい

ちゃんと、自分の気持ちも伝えておきたい

だから

急いで後を追い、まだ着替えてる途中であろう脱衣所のドアを少し勢いよく開けた




「…っ! …たま、?!」




目に飛び込んできたのは丁度上だけ服を脱いだ状態の驚き顔の恋人




_

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kurumi(プロフ) - yuzu_さん» ほんの少しでも日常の楽しみの一部になれていたのなら筆者としては何よりです。ありがとうございます。私としても二人の生活をまだまだ書きたい欲はあるのでまた機会がありましたらよろしくお願いします(´˘`*) (2022年6月26日 11時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - 毎日このお話が更新されてるか楽しみにしてました!また続編が見られますように。。!更新お疲れ様でした! (2022年6月25日 13時) (レス) @page49 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - かなさん» これからどんどんモブ女性が掻き乱してくれるので(笑)暫くモヤモヤさせてしまうかもです(^ω^;)💦どうか、暖かく見守ってあげてくださいm(*_ _)m(笑) (2022年5月9日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 読んでるこちらもTさん同様既にモブ女性に嫉妬し始めました(笑)モヤモヤしながら読むと思いますが更新が楽しみです。 (2022年5月8日 18時) (レス) id: 19b3f9018a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kurumi | 作成日時:2022年5月7日 2時

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