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T side
*
後頭部と腰を支えながらそのまま身体をソファに押し倒した時、反動で離れる唇
お互いの間に僅かに生まれた隙間
苦しそうに眉間に皺をよせ、荒く息を吸う姿はそれだけで更なる欲を伴わせる程妖艶だった
早く…早く繋がって、熱を分け合って、身体の最奥まで…
全て自分だけで満たしたい
誘う様に薄く開かれた口元に親指を当て、下唇を撫でれば潤んでる目は期待の色を含ませながらゆらり、と揺れる
「……たま、っ……」
首にそっと両腕が回されるのとほぼ同時、再度その美味しそうな唇にキスを落とした
互いに互いの舌を追い掛け、絡ませ、声を出す隙さえも与えずに口内をかき乱す
もう、寝室に移動するのも億劫だ
キスを続けながら身体の線に沿って胸の辺りから腰へとゆっくり這わせた手をシャツの下に差し入れた時、
少し離れたカウンターから意識と空気を一気に現実へと引き戻すスマホの着信音が聞こえてきた
━━━━━ ……〜♪♩♬ 、〜♩♪…
…よりによって何でいま…、
「………っ、」
先日に引き続き二度もこう邪魔されてしまうと流石に疎ましく感じるその存在
それでもやはり無視は出来ないのが自分達の仕事だから
「…ガヤ、電話……」
「…………ごめん、…」
身体を起こし恋人の上から退けば、するりと腕を離れ立ち上がって音の元へと向かう後ろ姿を目で追った
一度止まった後、数秒でまた鳴りだしたという事はやはり仕事の重要な連絡かもしれない
…でも
邪魔をする気は無くても完全お預けを食らってるこの状況
せめて、抱きしめる事ぐらいは許して欲しい
自分もソファから立ち、恋人の後ろに回って腰を抱き寄せた際今日は制止されなかったものの、
スマホの画面を怒りにも似た複雑な表情で見るその横顔が気になってしまった
「……ガヤ、?」
電話出ないの?
そう聞こうとして一瞬、瞼を閉じて何か覚悟を決めた様な顔が見えたかと思ったら不意に回してた腕が解かれ、真正面から左手でぐっと抱きしめられる
右手は持っていたスマホをそのまま耳元へと運んでいた
「……もう、かけないで下さいと言った筈です」
「………?!」
自分の左耳のすぐ近くで電話越しの相手へ向けられた明らかな"怒り"
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kurumi(プロフ) - yuzu_さん» ほんの少しでも日常の楽しみの一部になれていたのなら筆者としては何よりです。ありがとうございます。私としても二人の生活をまだまだ書きたい欲はあるのでまた機会がありましたらよろしくお願いします(´˘`*) (2022年6月26日 11時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - 毎日このお話が更新されてるか楽しみにしてました!また続編が見られますように。。!更新お疲れ様でした! (2022年6月25日 13時) (レス) @page49 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - かなさん» これからどんどんモブ女性が掻き乱してくれるので(笑)暫くモヤモヤさせてしまうかもです(^ω^;)💦どうか、暖かく見守ってあげてくださいm(*_ _)m(笑) (2022年5月9日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 読んでるこちらもTさん同様既にモブ女性に嫉妬し始めました(笑)モヤモヤしながら読むと思いますが更新が楽しみです。 (2022年5月8日 18時) (レス) id: 19b3f9018a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年5月7日 2時