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内出血が広がらない様に強過ぎない程度で圧も掛ける
腫れはそこまで酷く無さそうだが子供が感じる痛みと大人が耐えられる痛みでは大きく差があるだろう
こちらの不注意で辛い思いをさせてしまい申し訳ないと考えていると、彼から零れてきたのは謝罪の言葉だった
「…ごめん、なさい…」
「…北山?」
「おちちゃって……、ごめんなさい……っ」
怒られるとでも思ったのか
目をギュッと瞑り俺の服の端を掴みながら「ごめんなさい」と繰り返す
「…大丈夫。北山は悪くないよ。俺こそごめんね。高くて降り難かったよね」
そう返すと驚いた様に大きな目を更に大きく開き、首を左右にぶんぶん降って抱きついてきた
「ぅぅぅ……っ」
「ほらもう泣かないの。 朝ご飯用意するから。一緒に食べよ?」
肩口に顔を付けながらこくこく頷く小さな頭を撫で、ローテーブルの前に置いたクッションに座らせてから朝食の準備の続きに取り掛かる
あの後暫くはグズグズしていたがご飯を食べ、丁度やっていた子供向けのテレビ番組を見ているうちに段々機嫌は良くなっていった様だった
家を出るまで余裕があったので自分もいつもよりのんびり過ごし、出掛ける準備を始める頃にはすっかり彼も元気を取り戻していた
「北山ー、そろそろ行くよー!」
出発する直前
ギリギリになってもなかなかテレビの前から離れようとしない彼を何とか着替えさせ、最低限の身だしなみを整える
ベッドからの落下で出来た額の赤みもすぐに冷やしたおかげか目立たなくなっており、腫れも今のところ大丈夫そうだった
念の為に小さく切った湿布を貼って前髪で隠した
手荷物を準備してる時、自分も何かバッグを持って行きたそうな顔をしていたので昨日買ってきて貰った中にあった子供用のリュックに幾つか選ばせた玩具を入れた
「靴自分で履ける?」
「ん!」
意気込んだもののいざ履いてみれば案の定すぐに脱げてしまいそうな状態(でも本人はやったぞ感)に思わず口元を緩ませつつ、ささっと手直しして家を後にした
「たいすけ、おしごと?」
「そうだよ。でも北山も一緒に行って、今日もメンバーに会うからね」
「めんばー…?」
「あー、えっと。 昨日居たお兄ちゃん達」
「…あそぶ?」
「そうだなぁ。時間があれば少しぐらいは遊べるかな?」
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kurumi(プロフ) - なななさん» 楽しんで頂けて何よりです♡お気遣いまでありがとうございます。連載は出来る限り間を開けず更新したいのと、皆さんに読んで貰えているのが嬉しいので大丈夫です(笑)!二人の共同生活是非引き続き見届けて下さい( *´꒳`*) (2022年3月16日 21時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!毎日更新してくださってありがとうございます!大変じゃ無いですか?ご無理ならさないでくださいね(^^)可愛いみっくんに毎日癒されてます♪これからも楽しみです! (2022年3月16日 15時) (レス) @page44 id: d0578835d1 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - あこさん» ありがとうございます(✻´ν`✻)読み返したくなるお話を目標に書いているのでそう言って頂けて嬉しいです♡チビミツは私も書きながら自ら癒されてました(笑)まだ続く二人の共同生活、是非引き続き楽しんでください!( *´꒳`*) (2022年3月6日 3時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - kurumiさんのお話どれも素敵で何度も読ませていただいてます。新作のチビミツがかわいくて癒されてます!次の更新も楽しみにお待ちしております! (2022年3月5日 23時) (レス) id: c1fc4e5bf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年2月14日 1時