キミとのキセキ

★ ページ38

*




掃除の途中

拭き取り後滑りやすくなったフローリングで尻もちついたり、

掃除機のゴミ捨てが上手くいかずに盛大に散乱させたり(内心予想してたフラグを彼はしっかり自主回収してた)、

思った以上にドタバタするも当の本人は最終的に綺麗に出来た事に満足気な顔をしてるので結果としては良かったのだろう




「ひろ、疲れてない？」

「だいじょぶ」




朝同様、向かいあわせで昼食を取る

慣れない作業でお疲れではないかと心配するも、

まだまだ元気は有り余ってる様で大丈夫と即答が返ってきた


…それならば、




「この後、お出掛けする？」




続けて聞いた言葉に一瞬動きが止まり、ゆっくりと視線が上がる




「…おでかけ？」

「そう。 天気も良いし、何処か遊べそうな所行ってみるのはどうかな」




今一度問い掛ければ、かち合っていたその目は瞬時に期待を存分に含ませたものへと変わっていった

キラキラと輝くアーモンド型の瞳




「おでかけする！」

「ん、それじゃあ決まり。お片付けして早速準備しよう」

「じゅんびー！」




これまた朝同様に自分のお皿とカップを持ち、

ご機嫌テンションMAXで意気揚々とキッチンへ向かう後ろ姿を見届ける







出掛けると行っても正直、何処にでも行ける訳では無い

ひろは見た目もすっかり小さな子供になっているので誰が見ても〇〇マイの北山だとは気付かないだろうが、

自分が小さい子を連れているという図はバレてしまうととても困る(写真なんて撮られたら最悪だ)

平日の昼間、遠過ぎない距離で人が多くない場所を探して見付けたのが車で一時間も掛からない所にある広場とその近くの浜辺


公園ではないので遊具は置いて無いようだが、

その分来るのもほとんどが近所のご年配の方や犬の散歩で通る人が少し居る程度らしい

浜辺も同様で、此処なら誰かに見られる・バレてしまう心配も無さそうだ


ボールや外で遊べそうな玩具を幾つか持ち出し、

すっかりお気に入りになったひろのリュックには良く遊んでる玩具が数点詰め込まれている




「わぁ！ひろいねー！」




着いたのは一面気持ち良さそうな芝生が広がり、奥の方にベンチが四つ程等間隔で置かれてるだけの、

想像よりも大きい広場だった

これなら周りを気にせず思う存分遊べそうだ




「あんま離れ過ぎないでねー！」




_

★→←★

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す