キミとのキセキ

★ ページ35

*




「覗く訳にいかないし、俺も中身は詳しく分からないけどね」と宮田は零す

でもそれで、「これは何と書いてあるのか」という問い掛けも一切無かったそう

恐らくほぼ読めていない、

理解出来てない物に何故興味を持ち、そこまで大事そうにしているのか…

相変わらず分からない事だらけではあるが無闇に聞く事も何だかはばかられる

とりあえずはこのまま少し様子を見てみよう、という話に落ち着いた

メンバーにも伝えた方がいいだろうと宮田の提案でグループトークでも既に共有済み

明日以降、また何かあればすぐに連絡し合う旨を約束した





宮田を玄関で見送った後、

お風呂にゆっくり入りリビングのソファで次の仕事の台本を簡単に確認する

ずっとそのまま眠ってる様でひろは途中で起きてくる気配も一切無く、

そろそろ自分も寝ようかと寝室に向かった時も、

ベッドの上で丸くなり変わらず気持ち良さそうに寝息を立てていた

その姿に僅かに口元を緩めつつ、刺激しないようにそっと布団に入り小さな体を抱き締める

…子供ながらの少し高めの体温が何とも心地よい




「…ひろ、明日は何処かお出掛けしようか？」




深く夢の世界に誘われてる彼に問い掛けても当然何も返答は無い

明日の朝もう一度同じ質問をしてみようかな

そうしたら一体どんな反応をするだろう

どんな顔をして、どんな答えが返ってくるだろう

キャッキャと無邪気に喜ぶ姿を想像しながら、抱き締めている腕に力を込めそっと瞼を閉じた



今夜は何だかとても良い夢が見れそうだ




_

共同生活五日目→←★

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す