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後ろから近付いて背中で隠れていた彼の手元を覗き込む
…と、
「…っ!」
「…あ!それ、ガヤがプレゼントした…!」
ひろの小さな両手で握られていたのは以前自分が誕生日のプレゼントとして北山に渡した手帳カバーだった
…どうして、それを…?
今の彼には大人の時の記憶は無い筈、
では、無意識に?
でもそうだとしても、小さな子供が興味引かれる様な物では無い
「気になる?」
何故?という疑問と、突然の事に急激に速まった鼓動の音が聞こえてしまうのではないかと思う程耳に直接響いてくる
…手や声は震えてないだろうか、
自分の問い掛けにゆっくりこちらを見たひろはこくり、と頷いた
「でもこれ絵本とかじゃないよ?良いの?」
「これがいい!」
「そっか。 ん、分かった。特別にそれはひろが持って帰って良いよ」
そう言って頭を撫でると嬉しそうにニコニコしながら手帳カバーをギュッと抱え込む
「もっと探検する?それとももう終わりにする?」
「みっくん、おなかすいた」
「よし、それなら家戻ってご飯にしようか」
うん!と元気に頷き、ごく自然と両手を伸ばして抱っこの要求
そのまま手を引いて抱きあげれば、
ぱちぱちと驚いた様に瞬きをしながらこちらを見ていた二階堂と目が合う
「ニカ、どうした?」
「…いや、散々見てきたんだけどさ。なんかもう、二人のやり取りがあまりに自然で、良い雰囲気だなぁて、つい」
「…そう?」
「うん。 あ、深い意味は無いよ!親子とか仲良い兄弟みたいな感じ。お互い信頼してるのが伝わるっていうか」
褒め言葉だから!と二階堂は続けた
"良い雰囲気"
決して悪い気はしないものの、改めてそんな事を言われると嬉しさというよりは気恥しさが勝ってしまう
腕の中のもう一人の当事者に目をやれば余程気に入ったのか、
さっき見付けた手帳カバーを楽しそうに少し開いたりページを捲ったりしていた
二階堂の言葉などまるで気にもしてない(多分実際聞いてないだろう)様子に空気を変える助け舟は期待出来なさそうだった
「…まぁ。懐いてくれてるしね」
そんな、素っ気ない言葉しか出てこない
これ以上、何と返せばいいのやら
どうにも居た堪れなくなりそうで、
照れを隠す様に「行こう」と声を掛けて足早に外に出る
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kurumi(プロフ) - なななさん» 楽しんで頂けて何よりです♡お気遣いまでありがとうございます。連載は出来る限り間を開けず更新したいのと、皆さんに読んで貰えているのが嬉しいので大丈夫です(笑)!二人の共同生活是非引き続き見届けて下さい( *´꒳`*) (2022年3月16日 21時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!毎日更新してくださってありがとうございます!大変じゃ無いですか?ご無理ならさないでくださいね(^^)可愛いみっくんに毎日癒されてます♪これからも楽しみです! (2022年3月16日 15時) (レス) @page44 id: d0578835d1 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - あこさん» ありがとうございます(✻´ν`✻)読み返したくなるお話を目標に書いているのでそう言って頂けて嬉しいです♡チビミツは私も書きながら自ら癒されてました(笑)まだ続く二人の共同生活、是非引き続き楽しんでください!( *´꒳`*) (2022年3月6日 3時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - kurumiさんのお話どれも素敵で何度も読ませていただいてます。新作のチビミツがかわいくて癒されてます!次の更新も楽しみにお待ちしております! (2022年3月5日 23時) (レス) id: c1fc4e5bf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年2月14日 1時