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今此処で考えても何か解決策がすぐ浮かんでくる訳じゃないと分かってはいても、

脳内を占めるのは昨日から何度となく言われてきた北山への心配の言葉と、どうすればいいのか分からない事への不安



…帰ったら実はいつの間にか戻ってましたなんて、そんな奇跡でも起きないだろうか




「……情けねーな…、」




自嘲の様な小さな笑いと共に、自分で自分の考えに呆れた溜息を零した






またすぐに降りてくる為マネージャーにはマンションの下でそのまま待機してて貰い、

待ってる二人を迎えに自宅へ向かう




「ただいま。 ニカー、準備出来てる?」




扉を開け靴を脱がずに玄関から奥の方へ声を掛ければ、

二階堂からの返事より先に足音とリビングのドアが開く音が聞こえてきた




「たいすけ!」

「ひろ、ただいま。 もうお出掛け出来るかな?」




うん!と元気に答えて抱きついてくる彼を受け止めながら

今頭を悩ませてる張本人であり、一番何とかしないといけない問題の中心人物の筈なのに

ずっと自分へ向けられてるこの笑顔を見ると、感じていた不安が何故か薄れていく様な不思議な感覚を覚える


…すっかり此奴に絆されてんな、俺も


それは特に懐いてくれているからなのか

幼稚園の先生になる夢を持っていた自分だからこそ子供に甘くなっているのか

理由は分からないが

元に戻れる方法を探しつつもまずは何より小さな彼を守るのが役目なのだと思い返す




「ガヤお待たせ!」




出掛ける準備を終えリビングから出てきた二階堂と一緒に、今一度自宅を後にする






「たいすけ、どこいくの?」

「ん、ちょっとね」




再びマネージャーの車に乗り目的地へと向かう

隣に座るひろは何処へ行くかの疑問よりも、

外出出来る事への喜びの方が大きい様で車の外の流れる景色を楽しそうに眺めていた




「ニカ今日はありがとう。助かったよ。 問題とか無かった?」




助手席に座る二階堂に声を掛ければ即「全然!」と言葉が返ってくる




「ちびミツ凄い良い子だったし。 枚数減らして神経衰弱やったんだけど、強いの!俺ボロ負けするとこだったよ」

「ひろはニカと遊んだの楽しかった?」

「たのしかった!にか、よわいの!みっくんいっぱいかった!」

「…"みっくん"?」




突如、ひろの口から聞こえた"みっくん"という一人称

少なくとも今朝までは、特に自らを指す呼び方はしていなかった筈

…という事は、




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kurumi(プロフ) - なななさん» 楽しんで頂けて何よりです♡お気遣いまでありがとうございます。連載は出来る限り間を開けず更新したいのと、皆さんに読んで貰えているのが嬉しいので大丈夫です(笑)!二人の共同生活是非引き続き見届けて下さい( *´꒳`*) (2022年3月16日 21時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!毎日更新してくださってありがとうございます!大変じゃ無いですか?ご無理ならさないでくださいね(^^)可愛いみっくんに毎日癒されてます♪これからも楽しみです! (2022年3月16日 15時) (レス) @page44 id: d0578835d1 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - あこさん» ありがとうございます(✻´ν`✻)読み返したくなるお話を目標に書いているのでそう言って頂けて嬉しいです♡チビミツは私も書きながら自ら癒されてました(笑)まだ続く二人の共同生活、是非引き続き楽しんでください!( *´꒳`*) (2022年3月6日 3時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - kurumiさんのお話どれも素敵で何度も読ませていただいてます。新作のチビミツがかわいくて癒されてます!次の更新も楽しみにお待ちしております! (2022年3月5日 23時) (レス) id: c1fc4e5bf6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kurumi | 作成日時:2022年2月14日 1時

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