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後ろ髪引かれる思いとはまさにこの事かもしれない
背中に感じる視線にあえて振り返らず扉が閉まる音をそのまま聞き届けた
今日も順調に、出来れば早く仕事が終えられる様に頑張ろう
本来北山の仕事の筈だった雑誌インタビューを代理で受け、
その後は千賀と二人でずっとグループでやらせて貰ってるラジオ番組の収録を二週分纏めて行う
一本目を撮り終え暫しの休憩をしてる中、「北山さん早く良くなるといいですね」と近くに居たスタッフに声を掛けられた
昨日、今日と何処の現場でも必ずと言っていい程北山の心配をされる
決して忘れていた訳では無い
でも、"世間に嘘をついている"という事実をその都度突き付けられてる様で苦しくなる
自分はちゃんと答え、返せていただろうか…
スタッフが去った後思わず千賀と目を合わせ、悲しげに眉尻を下げる彼に「大丈夫だよ」と声を掛けた
大丈夫
何の根拠も無いがそうでも言わないと不透明な先への不安に飲み込まれそうで少し、怖かった
ラジオの後は玉森と二人でゲスト出演するバラエティー番組の収録
撮影自体は滞りなく進んだがやはり此処でもスタッフや出演者から北山への心配の言葉が相次ぐ
…不本意ではあるも、こういう時にも培ってきた演技力というのは役立つのだと実感させられた
アイドルとしての"表向き"の顔を貼り付け、その場を何とかやり過ごす
「…ミツがこれだけ愛されてるんだ、て思えるのは嬉しいけど。 …正直しんどいね」
玉森からポツリと零れた本音
「…今はこれしか方法がないから。小さくなった彼奴を守る為だよ」
顔を向ける事なく放った自らの言葉は
それは玉森へのものと同時に、自分へ言い聞かせる為でもあるかの様だった
今日も結果仕事は全て順調に終わった
次の仕事へ向かう玉森を見送り、帰宅の為にマネージャーの車に乗り込む
二階堂にこれから帰る旨を連絡してスマホを隣に伏せて静かに目を閉じた
仕事を無事やり遂げた何処か心地良い体の疲弊より今は正直、気持ちの面での疲れが大きい
恐らく千賀、玉森以外のメンバーもそれぞれの現場で同じ様な思いを抱えてるかもしれない
それ程に北山は常に周囲と関わりを持ち、人脈を広げて、多くの人に好かれる存在になっていたのだと改めて思い知る
もし万が一このまま戻らないなんて事になったら…
どんな影響が起きるか想像も出来ない
「……」
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kurumi(プロフ) - なななさん» 楽しんで頂けて何よりです♡お気遣いまでありがとうございます。連載は出来る限り間を開けず更新したいのと、皆さんに読んで貰えているのが嬉しいので大丈夫です(笑)!二人の共同生活是非引き続き見届けて下さい( *´꒳`*) (2022年3月16日 21時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!毎日更新してくださってありがとうございます!大変じゃ無いですか?ご無理ならさないでくださいね(^^)可愛いみっくんに毎日癒されてます♪これからも楽しみです! (2022年3月16日 15時) (レス) @page44 id: d0578835d1 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - あこさん» ありがとうございます(✻´ν`✻)読み返したくなるお話を目標に書いているのでそう言って頂けて嬉しいです♡チビミツは私も書きながら自ら癒されてました(笑)まだ続く二人の共同生活、是非引き続き楽しんでください!( *´꒳`*) (2022年3月6日 3時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - kurumiさんのお話どれも素敵で何度も読ませていただいてます。新作のチビミツがかわいくて癒されてます!次の更新も楽しみにお待ちしております! (2022年3月5日 23時) (レス) id: c1fc4e5bf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年2月14日 1時