キミとのキセキ

★ ページ15

*




…ただ、




「…逆に今更過ぎない？」




気恥しさもあり

何より無事に北山が元に戻れた時の事も考えるとそんなに変えてばかりは自分自身が混乱しそうだった




「俺は賛成だけどね」




後ろから不意に聞こえてきたのは親友の声




「ミツはミツでも今は子供なんだから。"小さな子"として接する体でいいと思うけど」

「わたまで…、」




こういうのは思い立ったが吉日！

とこちらの言い分もそっちのけで遊んでいた玉森、二階堂も呼び今度は"小さくなった北山を何て呼ぶか"会議が急遽開かれた






「………ひろ、」

「う？」




その後、自分と北山以外の面子が散々盛り上がった中で(勝手に)決まった呼び名は下の名前の一部を取った「ひろ」に落ち着いた。(というか、そうなってしまった)

言ってしまえばメンバーが居ない所でなら今まで通りの呼び方でも問題無いとは思うが

それだと顔を合わせた時に即ツッコまれ兼ねない(器用に呼び分けるなんて自分には無理な話)

何処と無くむず痒さを感じながらも何だかんだで決まった事に従う形になっていた




「ひろ」




そう呼ばれた当の本人は目をパチパチさせるだけで相変わらずのキョトン顔




「北山だとちょっと他人行儀だからさ。これから、ひろって呼ぶけど良い？」




経緯を一々説明する必要なんて無いだろう

でも何だか、言葉にせずにはいられなかった

言われた意味をちゃんと理解したかは分からないが僅かな間の後にパァっと笑顔を浮かべ「うん！」と元気に抱き着かれたのでまぁ、これはこれで良いのかもしれない

なんて、結果的には絆されている自分が居た




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