キミとのキセキ 2

共同生活七日目 ページ10

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昨夜無事に帰ってきてからは、膝や腕に出来ていた擦り傷の手当をし、

寝てる彼を起こす訳にもいかないのでお湯で濡らしたタオルで身体を簡単に拭きパジャマを着せてそのままベッドに寝かせた


自分がお風呂から出てきた時も

台本の確認を軽くしてから寝る時も

夜中ふと目が覚めた時も

ひろは変わらずにぐっすりと、穏やかな顔をして寝息を立てていた

その度、軽い怪我だけで済み彼が無事だった事を何度も何度も…本当に良かったと心の中で噛み締めた

いつもの様に小さな身体を抱き締め、

自分より少し高めの体温に心地良さを感じながら瞼を閉じていた中、



異変が起きたのは明け方の事だった





「様子どう？」

「…まだあまり。 薬効き始めるのももう少し掛かるかな…」




もうそろそろ陽が昇り始めるであろう頃

目を開けるまではいかずも微睡みの中で意識が彷徨っているとふと、腕の中の彼がカタカタと身体を震わせていた事に気付いた

苦しそうに息も上がり、頬に触れれば明らかにいつもより高くなってる体温

ぼんやりとしていた意識が一気に覚醒する

まだ寝ていたら申し訳ないと思いつつマネージャーに電話をし、

仕事の前にひろを病院に連れて行くか、もしくは小さな子供が飲める薬を買って来て欲しいとお願いした

今日は仕事の開始時間もゆっくり目な為自分は朝もだいぶ時間に余裕がある

まずは今すぐ出来る対処をと、汗を拭き着替えさせ、

少しでも身体を温める為に重ね着をして布団を肩までしっかり被せた

丁度常備していた冷えピタを額に張り、水分も取らせる

はぁはぁ…と荒い呼吸音が響く寝室

辛いよね、しんどいよね、と熱に耐えてる小さな身体に声を掛けつつ気休めでも良い少しでも落ち着けばと、

ひろの左手を握りもう片方の手で頭を優しく撫でた

こちらが急遽お願いをした事で本来の予定よりかなり早めの時間になったにも関わらず、

事情を聞いた今日当番の玉森と二階堂もマネージャーと一緒に来てくれた

何とか一口サイズのゼリーを食べて貰い買って来てくれた薬を飲ませる

顬辺りに薄らと滲むのが見えた汗をタオルでそっと拭った

一度来てすぐ、マネージャーと二階堂は他に必要な物を揃える為と言って再度買い物に出掛けてくれている




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