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*




沸騰したてのヤカンの様に蒸気の音が聞こえてくるのではないかと思う程、

北山の顔はまた一気に真っ赤に染まっていた




「照れてる?」

「…………っ」

「…可愛い」

「な…っ! …だから、そういうの…!」




わなわな唇を震わせながら精一杯の反論を向けたって結局それも今の自分には可愛くて仕方ないだけ

思わず緩んでいた手に力が入る

再度彼の身体を自らの腕の中に閉じ込めた




「ねぇ、北山の気持ち聞かせて?」

「…?」

「言葉で伝えて欲しいな。確かな自信持たせてよ」

「な…、え、…そんなの……っ」

「俺は好きだよ」

「!!!」

「俺は、北山が好き。大好き」




まだまだ気付いたばかりの想いだけれど

それでも此の僅かな時間でほら、こんなにも膨らんで大きくなってる

今、自分の中に感じているのは目の前の彼へ向ける零れ落ちそうな程の愛情

ただそれだけだ




「…………おれ、も……ふじがやが、……すき…、」




顔は相変わらず下を向き、頭を胸にぐりぐり押し付けてきてるせいで若干くぐもって聞こえてきた告白の言葉

最大限に照れて恥ずかしがってる其の姿があまりに可愛くて仕方ない




「…嬉しい」




抱き締める力を更に強めて首元に優しくキスをすれば、腕の中に居る身体はビクッと反応をみせる




「北山、顔上げて?」

「…むり……も、むり………はずい……」

「こっち見てくれないとキス出来ないんだけど」

「…っ?!」




あ、また固まった

此処に来るまでの少しばかりの強引さも、もう面影も残っていない

年上で、頼れる最年長で

安心して任せられる背中しか見てこなかった北山のこんな姿は珍しくそして、自分しか知り得ないのだと思うと堪らない




「…ひろ、」

「…っっ」

「ひろ、顔見せて?」




再び、口にするとても大切な宝物の響き

耳元で三度「ひろ」と声を掛ければやっと観念したのか、おずおずと顔を上げてくれた

これでもかと首まで真っ赤に染め、薄らと潤んでる大きな瞳は最高にそそられる

優しく右手の親指で下唇を撫で、もう逃がすまいと頬を両手で包み待望の唇に深く口付けた

ハジメテの、さっきみたいな触れるだけの優しいキスなんかじゃ物足りないから

何度目かに角度を変えた時、

僅かに空いた隙間から舌を割り入れればそのまま口内をかき乱す様に北山の舌を追い掛け絡ませる




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☆→←…おまけ



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ちび(プロフ) - リプありがとうございます、藤北担の妄想のような不思議な話めっちゃ良かったです。藤北の絆、素晴らしいです、2人とも本当素敵な大人になりましたよね、素敵なリプありがとうございました⚪︎絆の話またお待ちしてます⚪︎ (2023年2月23日 23時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - ちびさん» 楽しんで頂けた様で何よりです♡妄想全開のフィクションの世界でも皆様にささやかな癒しや幸せをお届け出来ていたら嬉しい限りです。二人には二人なりの距離感や絆があるのだと私も思っています。今後もまずは彼等を信じていきたいですね。ありがとうございました。 (2023年2月23日 19時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - 楽しかったです今また藤北色々言われてる中逃げてきました😆なんか凄いスッキリしました、もう大丈夫だね、て、2人にはキズナがあるからそれだけで充分ですよね。藤北バンザイです、大好きです真っ赤になるミツ可愛すぎました⚪︎ありがとう♡ (2023年2月23日 16時) (レス) @page34 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - あこさん» そんな風に言って頂けて私も嬉しいです( *´꒳`*)皆様の日常にほんの少しでも幸せを届けられる作品になったら…そう思いながら書いていました。恐らく距離感鈍ったFさんに甘やかされKiさんは日々赤面してる事でしょう(笑)コメントありがとうございましたm(*_ _)m (2022年4月20日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - kurumiさんこんにちは!最後までふたりの毎日が可愛くて愛しくて宝物みたいなお話でした。ちびみっくんにもう会えないのはさみしいですが元に戻ったふたりがしあわせそうなのでわたしもしあわせすです^^!次のお話も楽しみにしています! (2022年4月20日 14時) (レス) id: b0df43d495 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kurumi | 作成日時:2022年3月19日 16時

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