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*




恐らくデビューする前か、して間もなくか

何年振りかも分からない懐かしく優しい笑顔が、

くりっとした大きな目と共に真っ直ぐ自分を見据えてる

タクシーでも感じた気恥しさと擽ったさがじわりと胸に広がっていた




「お前だって覚えてるんだろ?」

「そりゃ、もちろん…っ、。 …忘れる訳ない」




「…そっか」と、嬉しそうに再度緩められた目元

…やはり、どうもその柔らかさが慣れなくて何だかむず痒い




「…何であんな事になったのかは俺にも分からなくて。いつどうやって戻ったのかも…。 昨日朝気付いたら既に自分の部屋のベッドに居て、マネージャーからの連絡で戻れた事も認識したんだ」




何故、覚えてるのが自分達だけなのか

そもそもの原因も全く予想つかないまま

何がキッカケで北山が戻れたのかも当然分からない

"小さな彼"と出逢ってから何度も何度も考えたことでもあったが、答えが見つかりそうな気配も無かった




「……ただ、…」




ポツリ、と北山は続けて零す




「… 理由は分からないけどもし、もし原因とするならこれかもしれない」

「…え?」




そう言って目の前に差し出されたのは何年か前に自分が誕生日プレゼントとして北山にあげた手帳カバー




「…、!」




二階堂も一緒に北山の家に行った時、ひろが気に入って手放さなかったやつだ

その後も中を見てる様子はあれど何故それを選んだのかずっと不思議だったけれど…




「これが、原因かも、て…?」




問うも言葉は無く「ん、」と手帳を渡される

…開いて、中を見てしまってもいいのだろうか

人のプライベートな部分を覗き見してしまう様で正直戸惑いしかないが、

本人が目の前に差し出しているということは

恐らく、表記されている"何か"を確認して欲しいという事なのだと解釈した

今一度伺うように目線を北山へと戻すとその大きな瞳に「早く」と急かされた様で、ゆっくり手帳を開く

中はスケジュール管理というより、仕事に関するメモや反省点、注意点

それにメンバー達の仕事の感想だったり、

多忙な相手にはその体調を思いやる日記みたいなものが綴られていた




「………ぇ…?」




パラパラ、頁をめくっていく中でふと、目に留まったのは少し前、

忙しさ故に自ら追い込んでしまい不安定になっていた時の自分を心配する内容だった




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ちび(プロフ) - リプありがとうございます、藤北担の妄想のような不思議な話めっちゃ良かったです。藤北の絆、素晴らしいです、2人とも本当素敵な大人になりましたよね、素敵なリプありがとうございました⚪︎絆の話またお待ちしてます⚪︎ (2023年2月23日 23時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - ちびさん» 楽しんで頂けた様で何よりです♡妄想全開のフィクションの世界でも皆様にささやかな癒しや幸せをお届け出来ていたら嬉しい限りです。二人には二人なりの距離感や絆があるのだと私も思っています。今後もまずは彼等を信じていきたいですね。ありがとうございました。 (2023年2月23日 19時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - 楽しかったです今また藤北色々言われてる中逃げてきました😆なんか凄いスッキリしました、もう大丈夫だね、て、2人にはキズナがあるからそれだけで充分ですよね。藤北バンザイです、大好きです真っ赤になるミツ可愛すぎました⚪︎ありがとう♡ (2023年2月23日 16時) (レス) @page34 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - あこさん» そんな風に言って頂けて私も嬉しいです( *´꒳`*)皆様の日常にほんの少しでも幸せを届けられる作品になったら…そう思いながら書いていました。恐らく距離感鈍ったFさんに甘やかされKiさんは日々赤面してる事でしょう(笑)コメントありがとうございましたm(*_ _)m (2022年4月20日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - kurumiさんこんにちは!最後までふたりの毎日が可愛くて愛しくて宝物みたいなお話でした。ちびみっくんにもう会えないのはさみしいですが元に戻ったふたりがしあわせそうなのでわたしもしあわせすです^^!次のお話も楽しみにしています! (2022年4月20日 14時) (レス) id: b0df43d495 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kurumi | 作成日時:2022年3月19日 16時

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