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「代わりに片付けとかやるから。傍に居てあげて」という玉森の言葉に甘えさせて貰い、自分はずっと寝室に留まったまま
キッチンに居た玉森が心配の表情を浮かべつつ、ひょこっとドアから顔を覗かせる
「…やっぱ昨日無理させちゃったのかな…」
「ガヤ…」
今更後悔しても何にもならないのは分かってる
…でも、冷える夜に小さな子供が一人で何時間も外に出てしまう状況を作ったのは他でも無い大人側の責任だ
もっと、事前にちゃんと考え、何かしらの準備を出来ていれば
もっと、早く見付けられていれば…
考え出したらキリがない
「…俺も話は聞いた。でも誰も悪くないよ。仕方ないで済ませられる事ではないけど、チビミツも無事だったんだから。 …自分だけを責めるのは違うよガヤ」
「もし誰かに責任を問うなら昨日チビミツに関わった俺達皆の責任だよ」と玉森は続ける
「…今は、チビミツが元気になる事だけを考えてあげて」
宥める様な穏やかな声色と優しい笑顔
それにつられ、無意識に強ばっていた顔からも自然と力が抜けていく感覚がした
玉森の言う通りまずはひろが元気になる事が一番だ
反省は後から幾らでも出来る
「…そうだね」
静かに言葉を返しながら視線を落とし、未だ苦しそうな彼の頭を再びそっと撫でた
…早く、またあの元気で無邪気な笑顔を見せて欲しいと強く心の中で願いを込めて
「…ひろ、」
「…やだ…!たいすけいくなら、みっくんもいく……っ!」
「ミツ、ガヤは仕事だから一緒には行けないんだよ?」
「やだやだ…!おるすばんやだ……!」
薬のおかげか熱も若干下がり、ひろ自身も明け方よりは多少落ち着いてきた様子の中
そろそろ仕事に行く時間だからと後は玉森と二階堂に任せて出掛けようとすれば、
ひろはこれまでに無い程全力でグズり駄々をこねてその場の大人達を困惑させていた
「今日は俺が帰ってくるまで二人とも居るよ?一人にはならないから、」
「…やだ…っ、…たいすけ…みっくんおいてくの……、まつのやだ……っ!」
今までに無い程ぎゅぅぅっと力強く抱きつかれては無理矢理剥がす事も出来ない
服を握りしめてる手からは微かに震えているのが伝わってくる
「………たいすけ……、いかないで………っ」
「……っっ、」
ついには「ぅぅ……」と小さく唸った後、ぐずぐず泣き出してしまった
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ちび(プロフ) - リプありがとうございます、藤北担の妄想のような不思議な話めっちゃ良かったです。藤北の絆、素晴らしいです、2人とも本当素敵な大人になりましたよね、素敵なリプありがとうございました⚪︎絆の話またお待ちしてます⚪︎ (2023年2月23日 23時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - ちびさん» 楽しんで頂けた様で何よりです♡妄想全開のフィクションの世界でも皆様にささやかな癒しや幸せをお届け出来ていたら嬉しい限りです。二人には二人なりの距離感や絆があるのだと私も思っています。今後もまずは彼等を信じていきたいですね。ありがとうございました。 (2023年2月23日 19時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - 楽しかったです今また藤北色々言われてる中逃げてきました😆なんか凄いスッキリしました、もう大丈夫だね、て、2人にはキズナがあるからそれだけで充分ですよね。藤北バンザイです、大好きです真っ赤になるミツ可愛すぎました⚪︎ありがとう♡ (2023年2月23日 16時) (レス) @page34 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
kurumi(プロフ) - あこさん» そんな風に言って頂けて私も嬉しいです( *´꒳`*)皆様の日常にほんの少しでも幸せを届けられる作品になったら…そう思いながら書いていました。恐らく距離感鈍ったFさんに甘やかされKiさんは日々赤面してる事でしょう(笑)コメントありがとうございましたm(*_ _)m (2022年4月20日 18時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - kurumiさんこんにちは!最後までふたりの毎日が可愛くて愛しくて宝物みたいなお話でした。ちびみっくんにもう会えないのはさみしいですが元に戻ったふたりがしあわせそうなのでわたしもしあわせすです^^!次のお話も楽しみにしています! (2022年4月20日 14時) (レス) id: b0df43d495 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年3月19日 16時