ぼくらのせんせい。 s×s

#20 ページ22

＊




和の治療も無事終わり、
今日のさとにぃの検診タイムもおわった。



まだ歯医者に行くって決意は固まってないみたいだけど…


少しずつ、進んでる。



ちゃんと、着実に、前には進んでるから。


俺は智くんを信じたい。




＊




それからまた時が経つ。



今日は俺の予約欄に 智くんの名前。



ちゃんとこれるかな？



来て、何もしなくてもいい。

別になにかしようってわけじゃない。



来ることだけで、
すごく頑張ってると思うから。


それを認めてあげたい。




そう思ってたけど。


やっぱりまだ、早かったかな？



予定の時刻になっても来ない智くん。



最終予約だったので…俺は、帰った。




翔 ｢ただいま。｣


雅紀 ｢おかえりー！
翔にぃ、すごくすごく待ってた！｣


翔 ｢うん？｣



和也 ｢智にぃ、熱出してて。
無理矢理測ったんだけど、38.6度。


でも、俺らのこと受け入れてくれなくて。

唯一の手段が潤なんだけど…
…やっぱり何回もいかせるのは可哀想で…


要りそうなものだけ、
渡してきてもらったんだけど…｣



翔 ｢…そっか。いきなり？｣



和也 ｢うーん、俺らが帰ってきた時には既に。｣


雅紀 ｢潤が涙目で走ってきたからびっくりしたもんねぇ。｣


翔 ｢そっか。
とりあえずみてくるわ。｣




理由がわかってるなら話は早い。


ストレスで熱が出ちゃったかな…？





翔 ｢さとにぃ？はいるよー｣


そう声をかけて智くんの部屋に入る。




翔 ｢ふふ、ただいま。
…しんどくなっちゃった？熱いなぁ。｣



俺が入った瞬間、
ぷいっと横を向いた智くん。


首元に少し触れると、うん、熱い…




翔 ｢ふふ、こっちむいて？｣



智 ｢ふるふる…｣


翔 ｢ほら…ね？｣




こっちに向いてくれたかな。


っと思ったら涙目な智くんの姿。





＊

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