ぼくらのせんせい。 s×s

#12 ページ13

＊




準備して、歯を覗く。

ただ、俺じゃないんだけど。

ちゃっかり、医院長が座ってた。



｢たまには付いててやったら？｣
って言われた。




医院長 ｢今のは痛くない？｣


潤 ｢こくん。｣


医院長 ｢それなら大丈夫そうだな。｣


翔 ｢大丈夫そうですか？｣



医院長 ｢あぁ。
てか、この子の歯、綺麗だな？笑｣


翔 ｢俺からは想像出来ないですよね、ほんと。｣



医院長 ｢あぁそうだな。笑
…ここ、治してもいいかな？｣


潤 ｢こくん。｣


医院長 ｢よし、じゃあ口開けてな？｣




そうして治してもらう。
麻酔しなくてもいけるみたいだ、よかった。


潤って大人しいよなー、治療中。

小さい頃からそれは変わらない。
…俺みたいにグダグダ言わないしさ？笑




医院長 ｢よし、いいよ〜。｣


潤 ｢こくん。
ありがと、ございました。｣



医院長 ｢いえいえ。

今みたいに上手にできる方法。
兄貴にも教えてあげてよ、な？笑｣


翔 ｢ちょ、いらないこと言わないでくださいよ〜、医院長。｣



医院長 ｢はは、翔も弟くんみたいに
ちゃんとできるように頑張らなきゃな？｣


翔 ｢俺だって本気出せばこれぐらい…｣



医院長 ｢おっ、じゃあこれからは本気でよろしくな？笑｣


翔 ｢う…｣



潤 ｢翔にぃ、歯医者なのに歯医者いやなの…？｣


翔 ｢嫌ってわけじゃないよ。大人の事情。｣



潤 ｢ふふ、潤も大人になればわかる？｣


翔 ｢あぁ、わかると思うよ、たぶん。｣



医院長 ｢はは、純粋な弟で良かったな？｣


翔 ｢まだまだ可愛い弟なので。｣



医院長 ｢そうだな。
…次はゆっくりおいでな？｣


潤 ｢こくん。｣




潤とお礼を言って帰る。



｢優しい先生だったね。｣
｢あの先生嫌いじゃないよ？｣

｢あと…治療ね、
翔にぃじゃなくてもがんばれたよっ｣

って嬉しそうに話す潤。



はは、医院長ほんと優しい人だからな。

人見知りだからさ、
なかなか医院長の前ではそんな姿見せないんだけど。


このことを後日、医院長に伝えると｢お前と違って可愛いなぁ。｣っていいながら、

俺の頭をクシャっとなでる。



ほんと、口は達者だけど優しい先生だ。





＊

#13→←#11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す