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自由 ページ12

Aside


「……Mrs.バージル。学校生活はどうかの?」


『……3階の女子トイレは厳重に封鎖されましたし、

トム・マールヴォロ・リドルも

バジリスクへの接触は不可能でしょうね。』


放課後、食堂で正当な本を読んでいれば校長から声を掛けられる。


それにしても流石は校長、対処が速い。


何て考えていればコトンとコーヒーを置かれ、


「お主は優しいの。あまりにも、優しすぎる。」


と言われる。


『一応言って置きますけど、

”自分に対する記憶”は1部しか消してないですよ。

大半は認識阻害を掛けただけです。』


あれ、”関心”も消したっけ?


なんて考えていれば


「……それが、

お主の中で考えうる最高の策じゃったのか。」


と言われる。


事実、マートルと共に殺されかけた自分。


きっと、マートルは何も知らない故、


また懲りずに3階の女子トイレに閉じ籠る運命になるだろう。


しかしそうなってしまえば、


いずれマートルは確実にトム・マールヴォロ・リドルに殺される。


だからこそ、


現状の3階の女子トイレ封鎖状態を利用し、


苛めっ子にナメクジを喰らわせるマートルを更に強化しなければならない。


まぁ、マートルは賢いから大丈夫だろうけど。


それにしても、


マートルから自分の記憶を消し去って良かった。


これだけでトム・マールヴォロ・リドルがマートルを殺害する理由を潰せたからな。


それに自分は周りからの関心を無くすだけで


全ての事が済むなんて、随分と安く済んだな。


そう思っていれば


「それにしても、行動に移すのが速すぎじゃ。」


と呆れと心配を含んだ声色で校長にそう言われる。


『思い付いた瞬間に行動に移しましたからね。

でもこれなら数日経てば、

トム・マールヴォロ・リドルも自分の事を忘れます。

結局は時間が解決しますから一番楽ですよ。』


それに、呑気に過ごすのは性に合ってる。


久々に羽根を伸ばして好きな事が出来る。


そう考えていれば


「Mrs.バージル。

お主は非常に才能のある魔女じゃよ。

だが、それ故に孤独に生きる人生もあり得る。」


校長は孤独な人生を歩んだのかな。


まぁ校長圧倒的才能あるからな。


なんてボンヤリ思っていれば


「ワシにも一応居たぞ。」


『校長と同等の才能ある人って居たんですか?!』


敢えて過去形なのを無視してそう聞けば


「あぁ。彼は、聡く、ワシより自由じゃった。」


と何処か懐かしむ目をしてそう言われた。

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水飴 - 主人公のMs.バージルの性格がとっっても好みで惹かれました…!めっちゃ好みです。フェリックス・フェリシス、やばすぎです…(笑)これからも頑張ってください! (2月4日 23時) (レス) @page4 id: 3c15e5a05c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モルタル | 作成日時:2023年10月24日 19時

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