記憶 ページ11
トムside
「トム！…………トムったら、私の話聞いてた？」
「今考え事してるんだ。あとでにしてくれ。」
そう言えば僕の腕に擦り着いて来る女。
不愉快極まりないが、特に反応せずに辺りを見渡す。
「……………………。」
あのクソ女、
今度はマートル・ワレンごと魔法掛けやがったな。
あの女達の顔を思い出そうとすればする程、
脳内にある筈の記憶が薄れていく。
無駄にカラクリ仕掛けの魔法は簡単には解けず、
チリチリと不快感が積もっていくも
「ちょっとA！！！！
貴方流石に酷すぎるわよ！！！！！！」
と聞き覚えのある金切り声が響き渡る。
それに対し
『そんな事知るかよ！！！！！
気色悪い妄想押し付けてくんな！！！！！
いい加減現実見ろよ馬鹿！！！！！』
と怒声が響き渡る。
周りの人間でもざわつく中、
気にせず口喧嘩を止めない２人。
…………マートル・ワレンはまだしも、
バージルの奴、存在消す気全く無いだろ。
そう思っていれば
「何あれ、喧嘩なの？
ねぇトム、私怖いからちょっと場所移動しm
「僕、喧嘩止めないと。」
女の話を遮り２人のもとへ向かおうとすれば、
「え？？？
ちょっと待ってトム？？喧嘩って何の事？？？」
突然意味の分からない言い出し、僕の服を引っ張る女
「は？…………君だって今の。。。」
”君だって今の怒声聞いてただろ？”
そう聞こうとするも、
今あの２人の口論は全く聞こえない事に気付く。
それどころか、
周りの人間は何事も無かった様に話している。
そして、周りを警戒しながら歩く
”１人”のマートル・ワレンが目に入る。
「………………トムったら、
最近随分マートル・ワレンに熱心ね。
私、一応は貴方の彼女よ？」
何かがおかしい。
そう思い
「僕、この前の魔法薬学で誰と組んでた？」
と聞けば
「…………………マートル・ワレンとでしょ。
私の誘いを断った事も忘れたの？」
と呆れた様な返答が来る。
「あの授業は３人１組じゃ無かったかい？」
平静を取り戻しながらそう聞けば
「えぇ、そうね。
《今回は優秀なあの子とだけ組みたいから》って、
貴方が譲らなかったから、
誰かしら１人だったんじゃない？」
と関心無さそうに言う女。
女の話す内容に対し、不確かだがある考えが浮かぶ。
既に顔も浮かばなくあの女、
A・バージルの奴、
まさか、周囲から”自身に関する記憶”を消したのか？
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水飴 - 主人公のMs.バージルの性格がとっっても好みで惹かれました…！めっちゃ好みです。フェリックス・フェリシス、やばすぎです…（笑）これからも頑張ってください！ (2月4日 23時) (
レス) @page4 id: 3c15e5a05c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モルタル | 作成日時：2023年10月24日 19時
