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手裏剣 ページ10

Aside



A『では、行ってきます。』


牧子「行ってらっしゃい。

足元には充分気を付けるんだよ。」


山菜採り、初めて1人で任されちゃった。


天ぷらならウド、ワラビ、ウルイ、赤コゴミとか?


フキノトウは成長してフキになってるのかな。


ゼンマイのナムルも良いよなぁ。


ウキウキ気分で山に入れば


早速ウルイの群生地が見つかった。




A「天ぷら、浅漬け、汁物、炒め物。」


あと良く分からない花も採れたし、


牧子さん喜んでくれるかな。


そんな事を考えながら山を下っていれば、


小さな子供1人を見つける。


見た所8歳位だろうか。


大穴の前でオロオロとしている。


A『君、どうしたの?』


と思わず後ろから声を掛ければ


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


と跳び跳ねられた。


「伏木蔵?!大丈夫か?!!」


大穴から人の声がする、


もしかしてと思い、穴を覗けば男の子が1人居た。


A『おはようございます。

縄を今出しますので、少々お待ちを。』


牧子さんに念のため持たされた縄が今役に立つとは


そんな事を考えながらそこら辺の木に縄を括る。


穴に縄を落とせば明るい茶髪の男の子が出てきた。


「伊作先輩!大丈夫でしたかぁ!!」


と出てきた男の子に駆け寄る小さな男の子。


駆け寄る勢いで再度落ちそうになる茶髪の子を掴む。


「二度も助けて頂いてありがとうございます!!」


A『いえいえ、お怪我はありませんか?』


なんて話していると


突然何か物体が飛んできた。


あらま、木に沢山手裏剣刺さってる。


手裏剣なんて初めて見た。


ちょっと感動していると、


「早く逃げて!!!!」


と茶髪の髪の子が叫ぶ。


A『君も逃げなきゃだよ。』


あれ、男の子クナイ持ってる。


もしかして忍なのかしら。


なんて考えていれば、辺りが煙で包まれる。


A『…………………………当たるかな。』


先程飛んできた手裏剣を木から抜き取り、


適当な方向にぶん投げる。


『「グエッ!!/ギィャッ!!」』


何か当たっちゃったぁ。


取り敢えず男の子達の手を掴み、山を急いで降りた。





A『ただいま戻りました。』


牧子「あらAさん、

お帰り……ってその怪我どうしたんだい?!

坊や達も怪我してるじゃないか?!」


A『あ、縄持ち帰るの忘れた。』


牧子「縄なんざ幾らでも買えるよ!!!

それよりは今はあんたらの手当てだよ!!!」

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作者名:モルタル | 作成日時:2024年3月17日 15時

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