34時間15分 ページ13
滑走順は最初にJJ、ピチット、そして勇利と続いていく。私は大和に先に入ってもらい、コーヒーを買うために自販機を探しにいく。
昨日とは対照的に、とても無気力で驚いている。
人と話す、階段を登る、歩く、些細なことにやる気を感じられない。
考え事をしすぎて知恵熱でも出ているのだろうか。
ホットコーヒーを買い、近くにあったベンチに座ってプルタブを開ける。すると、厚い壁越しにアナウンスと歓声が聞こえてきた。どうやら第一滑走者が始まるらしい。
だが一度座ってしまったその腰はなかなかあげられない。コーヒーを口に持っていくのも面倒だった。
音楽が終わり、そしてしばらくしてまた歓声が上がった。それはとてと大きく、滑走者のJJが良い結果が出せたのだとわかった。
次はピチットだ。ああ、観に行かなきゃ。そう思うだけで、足は動かない。
「あら？」
今の時間に人は来ないだろうと思って油断していたせいで、ビクリと体が揺れた。
そこには、一昨日のご飯会の時に現れたJJの恋人がいた。
「たしか、勝生勇利の…」
「あなたはジャン・ジャック・ルロワの…」
明確に「恋人」と言っていないからか、おそらく関係者というふうに覚えられているのだろう。
「私はイザベラよ」
「Aです」
「A、もうすぐ勝生勇利の出番よ？なんでこんな所に…観ないの？」
「観ますよ。観たいと思っています。けど、身体がいうこと聞かなくて」
イザベラは私の横に腰掛ける。
「Aは勝生勇利の恋人なの？」
「…公にはしていませんが」
「やっぱり！じゃあ絶対観た方がいいわ。身体がいうこと聞かないのなら、私が引きずってでも連れて行ってあげる」
「…別に構いませんよ。どうせテレビで何度もやるでしょうし」
「…バカじゃないの？！」
突然怒鳴られた。
そういえば、彼女はどうしてここにいるのだろう。JJの出番が終わったのは分かったが、彼の元へ行かなくていいのだろうか。
イザベラを見ると、目が潤んでいた。泣いた後なのだろう。それを隠すためにここに来たのだろうか。
「好きな人からの応援ほど、力のあるものはないわ。私とJJの場合は、それが仇となってしまったけれど。勝生勇利のFSのテーマは"愛"なんでしょう？なら、愛する人に見てもらいたいと思って演技するはずよ。金メダルを獲るって言っていたのよ！あなたが力になってあげなきゃどうするの！」
力のない体にストンと落ちてくる言葉だった。
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みのりん - めっちゃ感動したし胸キュンも止まりませんでした(*´Д｀*)素敵な作品を有難うございました！ (2018年2月24日 0時) (
レス) id: d4ae6c081b (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/閲覧出来ませんでした。サイト名載せていただけると助かります！ (2017年7月29日 22時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
佳歩(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/で調べたのですが閲覧できませんと出てしまい他の調べ方などないですか？ (2017年7月29日 19時) (レス) id: c55f7a31e6 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - 宇佐木さん» 残念ですが、見つかりませんでした…。 (2017年2月24日 6時) (レス) id: 2ff9f67844 (このIDを非表示/違反報告)
宇佐木(プロフ) - 柚子さん» 「ずっと待ってる。番外編」としています。私も対応できるよう努めますので、いつまでも見つからない場合はご面倒だとは思いますがまたご連絡ください。よろしくお願いしますm(_ _)m (2017年2月23日 7時) (レス) id: 871fe467c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇佐木 | 作成日時：2017年1月10日 21時
