【明治東亰恋伽】孤独少女は、沫泡に…【菱田春草】 (ページ3)

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43話ー目的地ーページ3

前に、芽衣ちゃんが教えてくれた。

この近くに、池があることを。

そこなら、私は……。

確か名前は、不忍池……。

深いとか言ってたな。

いいじゃん。

そういうの好き。

この景色が見れるのは、最後だろうな。

悲しい。

けれども、涙など流れなかった。

私が池の前に着くと、後ろから凄い足音で誰かが追いかけてくるのが分かる。

どうせ、芽衣ちゃんでしょ。

あの時聞いてたんでしょ。

けれども、ごめんなさい。

私は、楽になりたいの。

私は、池へ飛び込んだ……。

水が跳ねた音が響き渡る。

芽衣「Aちゃんっ!!!!」

『……、あれ………。』

嘘だ。

生きてる。

さっき飛び込んだはず…………?!

私の目に写ったのは、白黒でもしっかり見える。

菱田さんの姿だった。

彼は、濡れている。

まさか、私ではなく、彼が＿＿?

春草「君、馬鹿だね………。堂々と、道しるべを置いておくなんて……。」

『私は、困らせてばかりなのに、何故貴方は私を……、助けるんですか……。』

分からない。何で。

貴方の気持ちが分からないよ……。

それから、屋敷に戻り、こっぴどく叱られたが、私は諦めなかった。

夜こっそり抜けては、ﾀﾋのうとしていた。

けれども、彼は助けにくる。

そして、彼は風邪をひいた。