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「じゅーん？どうした？」
二宮の様子を見てくると言ったきり戻ってこない松本のことを心配して、櫻井がリビングに来た。
「今日は潤くんと野球した後ね、新しくできたハンバーガー屋さんにも行く約束してるんだ」
部屋に入るなりいきなり二宮に言われた櫻井もまた呆気に取られていた。
「ハンバーガー屋さんにはね、さとにいも翔ちゃんもまーくんも一緒に行くんだ！」
中学生頃の記憶なのだろうか…
最近とはどこか話し方も違ったが、本当に嬉しそうに話していた。
過去の記憶を基に話している二宮は、目の前の2人を櫻井と松本とは認識していなかった。
「そっかあ。楽しみだね。でもさっき潤くんがお母さんとスーパーに入っていくところ見たよ。だから少し遅れるんじゃないかな」
冷静に優しく返した櫻井の言葉で松本は我に帰った。
こういう時は今は違うと否定すると混乱するだけだから、合わせて話をするのが効果的なことを思い出した。
「えー！もう…潤くんはいつもそうなんだよ。のんびりさんで僕がいつも待ってるんだ」
「そうなんだ。大変だね。潤くんから連絡が来るまであっちで待ってよっか」
さりげなく二宮の部屋に松本は二宮を誘導した。
『来れたら来て。診察始めてるね』
声に出さずに櫻井が伝えてくれた言葉に、松本も『ありがとう』と返した。
「今日はまーくんも体調いいんだって。櫻井先生にハンバーガー食べていいよって言われたって朝、連絡があったんだ。みんなでお出かけなんて久しぶりで楽しみだなあ」
二宮の話を聞いていたら、そんなことがあったような気もしてきた。
「ハンバーガー美味しいといいね」
「ね！でもみんなで食べれば、なんだって美味しいからそんなに味は気にしてないんだ」
弾んだ声で言う二宮の姿を見て、本当に二宮はこの町を愛して自分たちを大切にしてくれていたんだなと思って、松本は胸が熱くなった。
しばらく窓の外を2人で眺めていると、二宮は急にいつもの調子で話し出した。
「あれ？潤くん、どうしたの？」
「え？あ……」
またしても突然の変化。
でも今度は松本も落ち着いていた。
「患者が少なくてね。ニノの様子を見にきたんだ。外を見てるから何かあるのかなと思って」
「何にもないよ〜。いい天気だなあって思ってたの。それだけ」
さっきまで饒舌に過去のことを話していたことは全く覚えていないようだった。
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蛍(プロフ) - 初めまして。こちらに出会って数日かけてじっくり読ませていただきました。一緒になって、頑張れ！って応援したりハラハラしたり、笑顔になったり。最近は更新されていないようですがまた時間のある時に続きが読めたらうれしいです。ありがとうございました。 (2022年1月18日 16時) (
レス) @page8 id: 1a848003a8 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - 雅紀くんも、にのも、小さなことでもできた！役に立てた！って感じながら過ごせそうですね。この仲間たちと一緒にいれば…。一方的ではなく、お互い支え合っているあたたかい関係が大好きです。ボードの方にメッセージ送っていますので読んでくださいね！ (2021年10月25日 20時) (レス) @page8 id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2021年10月10日 23時
