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「おはよ、大野さん。まーも、おは……」
「松潤！」
智が松本を振り返った時には、すでに松本は雅紀の異変に気づいていた。
近くに置いてあった櫻井の聴診器を掴んだ。
「胸の音聞かせてね、まー。まー？」
『………』
パジャマのボタンを外し、胸に聴診器を当てるが音は悪くない。
だが反応が悪い。
換気がうまくできていないのかと呼吸のマッサージをしたが改善されない。
「大野さん、翔さん呼んできてもらえる？」
頼まれた智は急いで櫻井を呼びに行った。
部屋に来た櫻井も雅紀を診察した。
何も数値は悪くないのに雅紀は明らかにぐったりしている。
「潤、救急車呼んで」
「了解」
救急車という言葉に動揺する智に櫻井が優しく言った。
「智くん、雅紀の体調不良の原因がわからないから早くクリニックに戻るね。介護タクシーを待ってたら検査が遅くなるから救急車を呼んだんだ」
「うん……」
「多分だけど、昨日の喘息発作で雅紀の肺が疲れてて酸素をうまく血液中に取り込めてないんだと思う。それを改善するのは酸素濃度を上げればいいんだけど、検査もせずに濃度を引き上げるのは危険なんだ。このままだと雅紀はしんどいままだから早くクリニックに戻るね」
櫻井の丁寧な説明で智も落ち着いてきた。
数分で救急車は到着。
「雅紀〜、抱っこするよー。ストレッチャーに乗るよー」
櫻井が耳元で大きな声で言うと、雅紀はゆっくりと瞬きをした。
「雅紀くん、クリニックに行ったら楽になるから大丈夫だよ〜。またいつでも遊びにおいで。先生も会いに行くからね」
ストレッチャーに寝かされた雅紀にパパ先生は笑顔で優しく声を掛けてくれた。
それに応えるかのように、雅紀は微かに指を動かした。
先生はその手をぎゅっと握り、布団に戻した。
雅紀を救急車に乗せた後、パパ先生は乗り込もうとする櫻井の背中を無言でさすった。
無言のエールに櫻井は小さく頷くと、背筋を伸ばして救急車に乗り込んだ。
智も二宮と一緒に松本の車で救急車の後を追ってクリニックに戻った。
「雅紀〜！雅紀〜！！クリニック着いたよ〜！！！雅紀〜！！！」
10数分の間に体調はなお悪化し、櫻井の大きな呼びかけにも反応できなくなっていた。
急いで処置室のベッドに寝かせる。
車から降りた松本も大急ぎで手を洗い、今回の検査である動脈血採血の準備を始めた。
動脈血採血は鼠蹊部から行うから、オムツを外し、イソジンで広範囲を消毒し、滅菌シートを身体に掛けた。
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蛍(プロフ) - 初めまして。こちらに出会って数日かけてじっくり読ませていただきました。一緒になって、頑張れ！って応援したりハラハラしたり、笑顔になったり。最近は更新されていないようですがまた時間のある時に続きが読めたらうれしいです。ありがとうございました。 (2022年1月18日 16時) (
レス) @page8 id: 1a848003a8 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - 雅紀くんも、にのも、小さなことでもできた！役に立てた！って感じながら過ごせそうですね。この仲間たちと一緒にいれば…。一方的ではなく、お互い支え合っているあたたかい関係が大好きです。ボードの方にメッセージ送っていますので読んでくださいね！ (2021年10月25日 20時) (レス) @page8 id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2021年10月10日 23時
