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「まー、起きて〜。CT撮るよー」
まずは胸部の撮影から行った。
「雅紀、次の検査ね。管を気管支に入れて検査するの。喉に麻酔はするけど、痛みとか苦しい感じがしちゃうと思う」
雅紀は俯いていて、智が肩をさすっている。
「入れる管、見る？」
雅紀はフルフルと首を横に振った。
「うん。ちょっと辛いけど頑張ろうね」
鼻に酸素カニューレをあてて、喉に麻酔をかける。
「しばらく仰向けだよ」
智が雅紀の手を握ると、緊張で冷たくなっていた。
「翔くん、俺も検査室入れる？」
「うん。いいよ」
「まーちゃん、俺、そばにいるからね」
検査室に移動した。
「まー、気管支を傷つけると大変だから、体固定してもいいかな？」
頷いた雅紀を見て、両腕、両足、そして腰を固定した。
雅紀の顔がどんどん強張る。
「まーちゃん、終わったら何しよっか〜。今日、まーちゃんが好きなすごろく持ってきたよ。みんなで久しぶりにやろっか〜」
緊張している雅紀に智が話しかけた。
「お！いいねー！やろうやろう！！」
「まーのすごろくは、罰ゲームがなー」
ノってくれた2人に雅紀の表情も少し和らいだ。
「雅紀、マウスピース入れるね」
「まー、目のとこガーゼ置くよ」
「雅紀、入れてくぞー」
麻酔をしてはいるものの、雅紀はえずいた。
「オエッ…オエッ…」
「雅紀、上手だぞー」
智は雅紀の手を握った。
カメラは気管支の中に入った。
「生食ちょうだい」
生理食塩水を入れて、気管支内を洗浄する。
「…っ…」
水が入った時、雅紀の手に力が入った。
生食を吸引し、42本ある気管支を1つずつ調べる。
「…っ…ゲホっ」
カメラを動かす度に、痛みが走り、雅紀の手が動いた。
「まーちゃん。頑張れてるよ」
櫻井はモニターを見ながら、慎重に進める。
昨日の喀血の原因となった部位を見つけた。
そこには血液がたまっていた。
とりあえず、これを吸引せねば
「潤、チューブちょうだい」
松本が櫻井に細いチューブを渡す。
「っ…ゴホゴホ……」
汗ばんだ雅紀の手が智の手を強く握った。
口に入れられた管は太い。
その管の中に更に細い管を通して、吸引する。
透明の管から吸い上げられた血を見て、智は気が遠くなる思いがした。
「雅紀、残り半分だぞー」
「ゲホゲホっ…ゲホっ」
とうとう、目尻から涙が溢れてきた。
「まーちゃん、苦しいね。頑張れ頑張れ」
智はタオルでそっと涙をふいた。
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
