入籍 １８ ページ18
・
どうしたものか
紙袋の中には、とても大人らしいシックな洋服が入っており、どれも私の好みだった
サイズも勿論ぴったりで、流石に靴下のサイズまで把握していたのは驚いた
服装からして長袖、厚手のコートまで入っているという事は拐われてからさほど時間は経っていないのだろう
私が拐われたあの日の夜は真冬、そして今の服装も冬の寒さに備えるにはうってつけの服装だった
今になって、"後悔"の二文字が脳内を埋め尽くす
どうしてあの時、同意したのだろう
このまま、あの扉を開けてしまえば、私は中原ではなくなってしまう
それでも、ここにいるのだけはもう嫌だった
憂鬱な毎日を過ごし、忌み嫌ってきたこの部屋と少しだけでいいから離れたかった
行きたくない
心の中で思っていても、足が一歩ずつ扉へ向かっていく
・
「うん、可愛い
凄く似合っているよ、Aちゃん」
『…洋服、ありがとうございます』
扉を開けた先にダイニングテーブルが一つ置かれ、太宰さんさ周りにある椅子の一つに腰掛けコーヒーを飲んでいた
彼はまた、砂色のコートを身に纏い白いズボンを履いている
こんな時でも彼の足の長さは際立っていた
「さあ、行こうか、Aちゃん？」
『…あのっ！』
優しく差し伸べられた手にどうしても触れられなくて
それに触れたら、いけないから
微笑む太宰さんが、どうしようも無く怖いから
今更、中也に対する罪悪感がこみ上げてきて
私がここから一度出たいが為に、中也との婚約を破棄してしまう所だった
私がここから出るよりも、中也との婚約の方が比べようの無い程大切なのに
それを、忘れていた
『や、っぱり…行かない、行きたくない…ッ』
「────────…なんで？」
彼の声が低く籠る
顔こそ笑みを貼り付けてはいるが、今すぐ殴りかかってきそうな程明らかに苛立っていた
『…っあ、…ご、めんなさ…！！』
「ごめんなさい？
───────そんなの、要らない」
私の腕を思い切り掴み、またあの部屋へと逆戻しされる
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茉耶 - 最近あひゃこさんの夢小説ばっかり見ていつも泣いてます！毎回いい作品をありがとうございます！！また太宰さんの小説書いて欲しいです！ (2019年8月11日 16時) (
レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
−こま−(プロフ) - 太宰さんんんんん！！かっこいいーー！！！好きですううう！作者さんも、太宰さんも愛してます← (2018年11月22日 20時) (レス) id: 43a4a6fc1b (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっっっごい面白かったです！ヤンデレ文豪さん、ほわぁ…真逆中也さんがあんなことをしていたなんて、さいっっっこうのドンデン返しでしたっ！私あんまり死落ちのヤンデレさん好きではないんですけど、すっっっごい面白くて、好き以外に選択肢がなかったです。 (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - かしさん» コメントありがとうございます！ いつも死ぬ時は大体途切らせちゃってるのでわかりずらいんですよね(><)すみませんm(_ _)m 閲覧ありがとうございます！ (2018年6月19日 21時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
かし(プロフ) - 物凄く面白かったです！最後に夢主の回想が途切れた時はえ？あれ？タブレット壊れた？と思いましたが、そう言うことだったんですね！ (2018年6月19日 17時) (レス) id: 5b825520a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：私です x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年3月27日 11時
