愛の監獄 【ヤンデレ】【太宰治】

入籍 １７ ページ17

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「君たちは、まだ



"形だけ"であって、"事実"ではない





それならば、私がAちゃんと籍を入れても、何も問題はないよね」





『…な、んで…や…いや…わたしは、中原…中原、なの…！！』





何故、それを、知っている ？



彼の言う通り、私と中也はまだ籍を入れておらず、先に式を行った

でも、これは誰にも言っていないし、言うつもりもなかった



言う必要性もなかった

真逆こうなるとは思ってもいなかったから





「だってAちゃん、もうそろそろ



外に出たいんじゃないかい？」





『…っ』





首をかがめ、私の耳元で吐息がかかるようにわざと囁く



甘い刺激と苦い誘惑が私を支配する



それに触れたら、触れたら終わり





本当は

一番の願いは

外の空気を一度でいいから、吸いたかった



横浜の空気なんて、いいはずもないけど、私が過ごしてきた街の空気が大好きだった



それでも、きっとここで外に出たいと言ってしまえば、彼の策略に落とされる

無理矢理名字を変えられる



言わないで、言わないで

言うな





「ねえ、早く答えてよ」





彼の低い声が私の全神経を震わせる



私に拒否権さえ持たせない





『…で、たい…出させて、下さい…っ』





「ふふ、いいよ。出してあげる





さあ、それならば早速行こうか。」





彼は私の体を無理矢理起こし、ベッドの横から紙袋を取り出す





「はい、これ



Aちゃんの洋服だから、これ着てね。



私は向こうにいるから、終わったらそこのドア開けてきてね。」





彼は紙袋をベッドの上に置き、そのまま立ち去ってしまった



頭では言うなと言っていたのに、あれだけ言いたくなかったのに

口は思っていたより賢くはなかった



本音がポロポロと暴かれていく

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