愛の監獄 【ヤンデレ】【太宰治】

誘拐 １ ページ1

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『中也…私今凄く幸せ！』





「嗚呼、俺もだ。愛してる、A。」






幸せそうに笑みを浮かべながら、白いヴァージンロードを手を握り合い歩む



周りを囲む、色とりどりの花と華やかな衣装を身に纏った招待客達




隣には、愛してやまない、私の夫の姿




いつもとは違う、白いタキシードを身に纏った彼に、心なしかドキッとしてしまう



繋がれた手から彼の体温がゆっくり伝わってくる




今まで生きてきて、本当に良かった
心からそう思える、人生で最高の日





『愛してるよ、中也』





「当たり前だろ、俺はAの夫だ」





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目の前で繰り広げられる、目を瞑りたくなるような光景

まるで、私を嘲笑うような中也の笑みに心の底から殺意が溢れる



彼女に、彼女に触れていいのは私はだけなのに



どうしてAちゃんは私ではないの？



何故中也なの？



例えようのない怒りと憎悪が湧き上がってくる



Aちゃんの隣に並ぶのは、私なのに、あそこにいるのは私でないといけないはずだろう？





どうしたら、彼女を、Aちゃんを

私のものにできるだろうか？



Aちゃんが、何処にも行かないように

中也の元へ帰らないようにするために

私の元だけにいるようにするために



「ふふ…」



あまりにも素晴らしい作戦を考え付いたあまりつい無意識に笑みが零れる

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