53話・恥じること ページ20
午後からの練習では、一星くんからの命令が全くない。
どうしたのだろうか。
でもまあ、気ままにサッカー出来るからそれはそれでいいか。
『！』
私はいち早くボールが私にぶつかる事を察知した。
いつも当たってばっかりなので、蹴り返してみた。
『おりゃっ!』
ボールが回転して、勢い良く行く。
そして、ゴールに入る。
ゴール前の円堂さんが唖然としている。
心の中の自分はドヤってる。
皆、私が毎回ボールが当たると馬鹿にしていただろうから、いい機会だった。
『これで私も……!』
清々しい風がそよいでる。
風が私を祝ってくれているようだ。
『っ……!!』
背中にボールが当たった。
私、いつフラグ建てたんだろう。
怒りのあまり、「ごめん」と駆け寄ってきた野坂くん(野坂くんとは知らず)に、思いっきり蹴り返した。
『そうだよ、これからぶつけた人に、返せばいいんだよ！』
野坂「ちょっといい……？」
あれ、何か怒ってる？
私、何かした……?
『私、何かしました?』
野坂「ごめんっと言ったに、あの威力のボールは無いと思うけど。」
『……。すみません。』
野坂「まぁ僕もそこまで鬼じゃないよ。」
ホッとした。
野坂くんの優しさは充分知ってる。
野坂「ハグぐらいで許してあげる。」
私の頭の中で、『ハグ』という言葉が回っていた。
ハグ……ハグ……ハ……グ………ハンバーグ。
最後、何考えてんだ。
てか、鬼じゃないって言ってたけど、完全に鬼何ですけど＿＿?!
私は、唇を噛んで握った拳に力が入った。
そんなの、人前で出来るかっ……!
すると、頭上に少しの重みを感じた。
腹部に回っている腕……。
「呼んでるのに、無視なんて酷いですよ。」
こ、これはっ……!!
私が見上げると、彼は悪魔の笑みを浮かべていた。
『い……一星くん……?』
目の前の、野坂くんは驚きを隠せない状態。
パニックになる私の頭。
今にも湯気が出そう。
『あわわっ………!!ははは、離して下しゃいっ……!!』
一星「Aさんに、拒否権ありませんよね?」
野坂「一星くん……。」
野坂くんの、目付きが変わった。
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千 - ゲゲゲのサクヤさん» コメありがとうございます。はい、頑張りたいと思ってます。 (2019年5月5日 18時) (
レス) id: 728c16d1eb (このIDを非表示/違反報告)
ゲゲゲのサクヤ - 作者さん頑張ってくださいね (2019年5月5日 17時) (レス) id: 61d29551d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千 | 作成日時：2019年4月30日 17時
